2012年12月28日 (金)

No.404 近畿連合10人委員会(実行委員会)開催される in Yao city

Img_212月28日、近畿連合10人委員会が開催された。出席者は、日珠連から森友・山根・西・藤本、全珠連から櫻井・江藤・澤田・山口、全珠学連から岡田の各氏が参加した。
なお、(株)新通の前田氏がオブザーバーとして出席した。

■議案は次の通りであった。
①12月16日開催の拡大会議で決まった24年度追加のPR事業であるYahoo! Japan のバナー広告(主婦対象、2月に実施)について・・・バナー部分のデザインを決定した。
②25年度PR事業内容の再確認・・・同事業概要については、12月16日開催の拡大会議で承認を得たが、5月19日に開催される総会で議案とし承認を受け決定される。
概要は、テレビスポット(関西テレビ・朝日放送テレビ)、ラジオスポット(毎日放送ラジオ・KBS京都ラジオ・和歌山放送ラジオ)、WEB(Yahoo! Japan バナー広告・近畿連合HP運営)である。
③近畿連合構成員の個人HP作成について・・・申し込み時に必要な提出資料作成用フォーマットを配布することとした。

■近畿連合は、近畿二府四県の3団体所属珠算指導者が集い構成されている。構成員は約1330名である。
意思決定の順序は、既述の10人会で議案(事業・予算)原案を審議し、拡大会議で了承を得たのち、総会で審議し決定する。
事業活動原資は構成員全員からの拠金で賄われる。
3団体がこれほど広域に糾合して、長期にわたり積極的に事業活動を行っているのは、近畿連合のみである。

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2010年10月23日 (土)

No.323 外国人講座 取材を受ける at O.A.A.

Img_0002 Img_0004 Img_0005 Img_0007 Img_0008 Img_0009 10月23日、「外国人のための珠算講座」がイオ光ケーブルテレビの報道取材を受けた。9時40分から1時までの長時間取材であった。同講座は、1986年6月に開講し現在25年目の活動に入っている。本日までに、85ヵ国から968人の受講者数となっている。なお、同講座は、(社)大阪珠算協会と大阪商工会議所の共催事業であり、大阪府教育委員会の後援を受けている。

■今回の取材は、いま、そろばんが見直されているが、その理由は何か?そして、具体的にはどのように見直されているのか、ということをテーマに行われた。取材は、尼崎市立杭瀬小学校の計算科授業の内容と、同協会の外国人講座の展開内容について行われた。

Img_0024_2 Img_0010 Img_0017 Img_0019 Img_0022 Img_0023 外国人講座の受講生は高学歴者(知識者層)が多く、最近の入門者は、過半が大学院生である。特に、大阪大学の修士課程や博士課程で研究を行う留学生が多い。今日の講座でも2名の入門者があった。一人は、ロシア人男性のNikita Shportko (ニキータ シポルトコ)さんで大阪大学大学院の修士課程1年である。研究エリアはPolitical Science (政治学)。今一人はロシア人女性のMarina Demeshko (マリナ デメシュコ)さんで大阪大学大学院博士課程1年である。専攻はPhisics (物理学)。

■両者ともに、日本文化としてのそろばんをもっと知りたいという動機での入門である。彼らの目には、そろばんは伝統的な日本文化の一つであると映っている。今まで、ある種の好奇心からの入門者がほとんどである。しかし、そろばんでの計算になじんでくると、今まで自分が行ってきた計算方法とは異質の高度な独特の計算テクニックであることに気付く。しばらくして、珠算式暗算を理解し始めると、今一度、大きな驚きを覚えることとなる。筆算式の暗算がすべてであると思っていた彼らは、珠算式の高速で正確な暗算技術を自分自身が習得し始めたことにカルチャーショックを覚える。また、自分の中に、そのような技術を使いこなせる能力があったこと自体にびっくりする。

Img_0025 Img_0026 Img_0027 Img_0030 Img_0032 Img_0033 Img_0034 Img_0035 Img_0042 当初の好奇心のみの動機が、これらの体験を通じて変化し、もっと自分の能力を試してみようという境地に入っていく。平素から、機械に頼りながら研究を行っていることで抱いていた不安感が、このヒューマンな計算技術を習得する過程で解消できるのではと考え始める。このような段階を経てそろばんの魅力に取りつかれていくのが一般的なパターンといえる。

■彼らの目には、このすぐれた文化性の高い計算技術を、日本人が軽視していることが不思議なことと映っている。日本人も、今一度伝統的な計算文化であるそろばんでの計算術を再認識して、教育に、そして社会活動に役立てていくことを考えてみなければならない。

■今日の取材は、J Works (TV production) のディレクター進藤功充氏が行った。英語も堪能な気鋭の記者で、いい取材を行てもらった。編集を終えて、27日午後4時からのニュース枠で放映される。

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2010年1月25日 (月)

No.273 北大阪珠算協会第38回表彰式典開催される at Takatuki-city

Img_0001_4 1月24日、北大阪珠算協会主催第38回表彰式典が高槻現代劇場中ホールで行われた。各種の優良生徒表彰が行われて、合計238名が受賞した。各種団体から22名の代表が来賓として参加した。東浦同協会会長の挨拶に続いて、奥本高槻市長が祝辞を述べた。続いて、日本珠算連盟森友理事長がお祝いの挨拶を行った。

■次に、高槻市議会源久議長、灰垣同議会議員、高槻市教育委員会一瀬教育長、高槻商工会議所谷知専務理事が祝辞を述べたあと各種表彰に入った。高槻市は、大阪府北部の都市で105㎢、人口は35万人で中核都市としての指定を受けている。大阪府と京都市の中間に位置し、両都市の市章を組み合わせて高槻市章としている。市のキャッチフレーズは水と緑の生活文化都市である。戦国時代はキリシタン大名高山右近が領地したがキリスト教禁令により豊臣秀吉に所領を没収された。当時、日本で始めての復活祭が行われたことでも有名。江戸期は隠れキリシタンの里としても知られている。明治まで、京・大阪の中間に位置する永井氏36000石の城下町であった。

Img_3 古代の古墳群があり、埴輪の製造工場も在ったことがわかっていて、跡地は公園になっている。表彰を受けた子供たちの立ち居振る舞いにも、歴史の影響を受けながら教育文化都市で育っていることが感じられた。

■冒頭に記述したように、市長・議長・教育長が顔をそろえて、珠算評価の祝辞を述べるということは、表彰式のあるべき姿をよく現している。品がよく、まとまりのある爽やかな式典であった。

3 Photo_2 森友のお祝いの挨拶中盤で次のようなアナウンスを行っておいた。
①今、珠算の学習者が大幅に増加してきている。その理由は、そろばんを使って計算することの有用性と楽しさ、分かりやすさが評価され、学力向上と学習意欲の強化に有効であることが分かってきたからである。加えて、珠算式暗算に対する注目の高まりがある。
②これら珠算の素晴らしさについては、地域行政も注目しており、大阪府議会においては、2月定例会教育常任委員会において、珠算教育を強化することで大阪府下の教育力を向上させる方策をテーマにした本格的な質疑が行われることが決まった。学力向上が急がれる大阪府下の教育再生に珠算教育が役立つことを期待している・・・と。

493 490  498 497 496 494 495 491 これからの日本を背負う若い人材が集められているという感慨を抱かせる場面を喜ばしく参観できた。珠算は、日本の発展を支える大事な計算文化であることを改めて確認したいいセレモニーであった。*式典の写真は、北大阪珠算協会の日浦輝夫先生から頂戴したものを掲載した。

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2010年1月15日 (金)

No.271 学校支援活動出講者打ち合わせ会開催される at O.C.C.I

480 481 482 487 483 484 1月15日、大阪商工会議所に21年度学校支援珠算指導活動に出講する先生方63名が集い、資料の説明、打ち合わせ、質疑応答を行った。本年の指導依頼校は今日現在で171校に上り、過去最多記録となっている。まだ依頼校は増える勢いで、180校程度を予想している。

■23年度からの学習指導要領改訂にともない、重点項目の先行実施が昨年四月から行われている。その中にそろばんが含められたために、昨年4月から4年生でのそろばん指導がスタートした。また、本年度の活動から大阪府教育委員会が協同して本事業をサポートする形が出来上がったことも、指導依頼校増加の原因といえる。

485_2 486 479 大阪府下の小・中学校生徒の学力向上が至上命題となっている現今の情勢から、教育行政におけるわれわれの行っている学校支援活動への理解は大きく増進し、担う役割の比重は増えている。このような状況から考えて、大幅な依頼校の増加は当然なのかも知れない。珠算指導が学力向上に大きく貢献することが社会的に認知されれば、珠算評価は当然高くなることが予想される。

■当日の質疑応答の中での主だった意見を記述しておきたい。
①そろばんの指導で子供たちが集中する状況を作り出すことが出来れば大きな成果につながると考えていい
②事前の打ち合わせを学校サイドとしっかりと行っておくことが成果につながる。また、学校には30分前には到着しておくことも大事である
③担任の授業参加はもちろんのこと、校長・教頭先生の授業見学を要請することが大事である
④学校間格差が気になるが、学校内外の清掃や規律の徹底した学校では、授業内容もクオリティが高い。そのような学校はかなり存在する
⑤いきいき学級でのそろばん指導を検討することもいいのかも知れない
⑥「たのしいそろばん」が改訂されたが、易しい問題をもう少し増やすことが必要かもしれない
⑦子供たちや担任がそろばんを学ぶことである種の感動を覚えてくれれば大きな収穫となる
⑧単位団体でも別個に出講者の研修を行っているケースがあるが、講師の質を高めることは成功の秘訣でもある
⑨3日間の指導が一番望ましいと思われるので、学校側にもアピールすることが大事
⑩子供たちの名札を作成して机上におき、名前を正しく呼ぶようにしていることで効果が見られる
⑪弾初め時の法被を着用して教室に入るようにしているが、子供たちの気持ちを引き付けるのに効果がある
⑫時間の終わりで、フラッシュ暗算を使用することは有効である
⑬指導の効果を挙げるには、自身の指導技術だけでなく、不断の工夫と努力が必要である
⑭出講者自身のクオリティーを高めることが必要不可欠である

■以上のほかにも、沢山の提案やアドバイスが発言され、特に新しく登録した先生方にとっては、得るものの多い会合であったと思われる。何よりも喜ばしいことは、参加された先生方全員が、珠算を子供たちや学校のスタッフに正しく紹介して、日本の伝統文化としての素晴らしい技術を伝承していくんだという意気込みが大きいことであった。大阪エリアの検定受験者が増加の一途をたどっている裏には、このような沢山の指導者の努力があることが理解できるいい会合であった。

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2010年1月13日 (水)

No.270 平成21年度第5回総務会開催される at Tokyo Forum

1月12日、東京フォーラムで平成22年初の正副理事長会が開催された。議案審議のあと総務会を開催した。1月開催会議には、常任理事5名も各地から参加した。主たる審議事項は、22年度の事業計画とそれに伴う収支予算の原案検討である。

477 478 479 473 これらの主要議案については、11月に4部長との意見交換を行い、12月12日に正副理事長に会計顧問と会計担当理事、事務局を交えて原案の作成を行った。12月26日には、森友理事長、森田財務担当副理事長に中山専務理事、事務局をまじえて、最終調整を行い今回の提案となった。

Meeting7 Meeting_4 Meeting_5 Meeting_6 Meeting_8 Meeting_3 事業と予算の骨格(理念)は、新年度からの中長期的戦略に基づいて次のように設定した。
① 今何故そろばんなのか?について広く世論に説明するためのPR活動を積極的に展開する
② 珠算に関する研究活動を中心とした、再生産につながる先行投資を行う
③ 連盟の構成員に対する還元を積極的に行う
以上の各項目を新年度の活動骨子(理念)として成長希求型積極経営を目指すこととした。
当然のことながら、プライマリーバランスはプラスに保ちながらの事業展開となる。

Img 事業計画の中での特記事項は次の通りである。
① 段位・暗算検定作問チームの編成
② 後継者対策委員会を設置・・早期にマニュアルを作成し、単位連盟でアレンジの上現地で活用
③ 常任理事の総務会出席回数を年間3回(5回のうち)とする・・1・5・9月
④ 有識者懇談会のメインテーマを「そろばんをベースにした算数教科書」の作成とした
⑤ 日数協との共同研究テーマを「珠算式暗算のメカニズム解明」とした
⑥ 5月に日帰りで合同部会を開催する(東京フォーラム)
⑦ 指導者養成委員会のメンバーと講習内容を一新する
⑧ PR用リーフレットVol.2を年度初期に発刊する
⑨ 6月から段位検定試験の分割(珠算・暗算)実施を行う
⑩ 講習・研修の講師は、担当部会・委員会の部員・委員は担当せず、地元を中心にした人材を起用する

472 470 475 476 総務会終了後、日本商工会議所宮城常務理事と坪田理事・事務局長を訪問した。訪問者は、日珠連森友理事長、中山専務理事で、帯同者は日商事業部小野部長、木内課長であった。
2010年の年頭に当たり、珠算教育界の現況把握、連盟の経営規範、22年度への展望を中心に、新年度事業計画・収支予算案についても説明と意見交換を行った。
珠算に関連する各地でのいろんな活動や今後の研究・企画についても意見の交換が出来、今後の連盟運営について有益な内容の懇談であった。

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2010年1月 8日 (金)

No.269 22年初の珠算事業運営協議会が開催された at O.C.C.I

Img 1月8日、珠算事業運営協議会が大珠協事務局で開催された。大商からは、吉田人材開発部部長、森松課長、鈴木担当官が出席した。大珠協サイドからは、森友・西・山田副会長、益田・志賀・西川・中村常務理事、西井局長が参加した。

■2月開催の第188回珠算能力検定試験の施行ならびに運営について協議と調整を行い、開催される試験の精度を高めることと、無事に施行を完結するための準備を行った。

■開催にあたり、会議所側の吉田部長の挨拶を受け、大珠協側からは森友副会長が22年の所信と見通しについて次のように挨拶した。

Img_0001 2010年が幕を明けたが、本年は珠算指導の教育的評価が飛躍的に拡大する予感がする。その理由は次の3つである。
①2009年の軌跡を見てみると、PR事業の重層的展開が行いえた、新学習指導要領の重点項目の一つとして4年生でのそろばん指導が4月から始まった、尼崎市立43全小学校でのそろばん指導が4月から実現した、検定試験の受験者数が全国ベースで(6月・10月の1~3級)8%の前年同期比増加であった、受験者数の順調な推移のお陰で各地の団体・組織の財務内容が健全化してきた・・・ことなどが分かる。
②珠算学習の効用が世論の中で定着してきた。即ち、基礎学力の向上に効果がある、脳の開発・活性化に有効である、人間力・子供力が獲得できる・・・ことなどである。
③組織・団体の活動基準が明確になってきた。即ち、珠算教育普及・強化を行うことで日本の教育再生をサポートできる。そのことが社会貢献の実現につながる。

468 以上の諸要件から本年の順調な珠算教育強化の進展が予感される。
同時に、大阪においては、珠算指導者集団として、2010年の珠算教育の到達点を次の2点にフォーカスして活動を行いたい。
①「品性ある日本人を作り出す」
②「地元にとどまらず、日本、世界に貢献する人材を生み出す」・・・の2点である。

■2010年の1年間を上記のような基本路線を明確に敷いて、協会の持てる力をフルに出し切り、期待通りの成果を挙げていきたいと願っている。

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2010年1月 5日 (火)

No.268 外国人29名が表彰式典で終了証を受賞 in Osaka

Img 1月17日に、大阪珠算協会の優良生徒表彰式典がメルパルクホールで開催される。約500名の各塾から選抜された優秀な生徒たちが保護者と共に一堂に集い、総勢1000名を超える。同式典の中で、同協会と大阪商工会議所共催の「外国人のための珠算講座」を受講している外国人受講生に1年毎の終了証が授賞される。

■本年は、受賞者一覧にあるように11カ国からの29名がステージに並ぶ。終了証はルーマニア人研究者のDan Irimescu (ダン・イリメスク)さんが代表受領する。彼は、現在、大阪大学大学院で研究者として活躍している。専門は物理学(エレクトロニクス)でPhDを持つ気鋭の研究者である。

457 受講生の中には、ダン先生のほかに、大阪大学大学院教授のチリ人のClaudio Vasquez (クラウディオ・ヴァスケッツ)(スペイン文学・スペイン語)さんと、同じく大阪大学大学院の教官(lecturer) で弁護士のブラジル人Marcelo Alcantara (マルセロ・アルカンターラ)(法律学)さんがPhDを保有している。

■3月にマスター(修士)過程を修了してドクター(博士)過程に進む人たちは次のメンバーである。
ブラジル人のMarina Oikawa (マリナ・オイカワ)さんは奈良先端科学技術大学院大学で情報工学(インフォメーション サイエンス)を専攻している。
インドネシア人のYuliana Lukamto (ユリアナ・ルカムト)さんは、大阪大学大学院で言語学を専攻。
ブラジル人のElisabeth Ishakawa (エリザベス・イシカワ)さんは、大阪大学大学院で情報工学を専攻。
インドネシア人のMalvin Handaya (マルビン・ハンダヤ)さんは、大阪大学大学院で電子工学を専攻していて、そろって春からはドクターコースに進む。

■現在すでに博士課程に在籍し、23年3月にPhDを取得する予定の研究者は、次の人たちである。
マレーシア人のShahida Shar (シャヒダ・シャー)さんは、大阪大学大学院の博士課程で、電気電子情報工学(光ファイバー)を研究。
マレーシア人のMahathir Mohamad (マハシア・モハマド)さんは、大阪大学大学院の博士課程で数学を専攻している。

■他に、高校の臨床心理士のシンガポール人、関西外国語大学のスペイン文学指導教官のペルー人、二胡奏者の中国人、小学校教師のアメリカ人とカナダ人、ポルトガル語教師のブラジル人など、受講生の顔ぶれは極めて多士済済である。

■科学・機械文明の中で生まれ育った現代人である彼らが、高等教育を受けつつ、日本のそろばんに強い興味を覚え、技術とその心を習得しようとして練習に励む姿は、日本人の目にはとても新鮮に映る。コンピュータを毎日駆使する彼らの心中には、バーチャルな世界に満足しきれない、そして何か満たされないものがあり、一方で、そろばんの中にリアリティーを実感して精神的満足を得るのかもしれない。彼らの練習する姿は、日本人がそろばんの持つ独特のぬくもりを思い出すきっかけにもなっている。

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2010年1月 3日 (日)

No.267 新春奉納はじき初め大会開催される at Tenmangu Shrine

Img 1月3日、大阪天満宮境内で平成22年度新春奉納はじき初め大会が開催された。主催は大阪府珠算教育連合会(大阪府下珠算3団体の連合体・・大阪連合)で、大阪商工会議所と大阪府教育委員会が後援した。参加者は早朝から南門前に列をなし、開催時間を繰り上げて9時40分からスタートした。12時の終了までには約1000名の子供たちが参加した。

■本年は、参加者はピンクの法被を着用してそろばんを弾いたが、参加記念にその法被と天満宮発行のお守りが授与された。例年通り、(社)大阪珠算協会主催の「外国人のための珠算講座」受講生たちも参加した。11ヶ国からの18名が腕前を披露し上達を祈願した。彼らは、そのあと書初めにも挑戦し、日本文化を堪能した。彼らにとっては、1100年前に活躍した菅原道真公を祭祀する神社で、一年の計を立て祈願の参拝をする多くの日本人を見て、日本文化の奥深さに強い興味を感じていた。

Img_0001 今回も、参加者には、16ページに及ぶ立派な大会記念冊子が配られた。冊子冒頭には次の内容の祝辞を掲載してもらった。
新年明けましておめでとうございます。
本年も、大阪天満宮境内において、そろばんの新春奉納はじき初め大会~in 2010~を開催することが出来ました。大阪府下の珠算指導者で組織する大阪府珠算教育連合会は、子供たちへの珠算教育を通じて質の高い人間づくりを支援し、社会的貢献を果たすための活動として本大会を開催いたしました。
長期にわたる電卓・コンピュータの普及により、合理性・効率性が重視され、機械に頼る傾向が近年強まって参りました。その結果物事を継続する力が減退し、学力低下に微妙な影響を与えています。
461 今、珠算学習者が大幅に増えてきました。その理由は、そろばんを使って計算することの有用性と楽しさ、分かりやすさが理解され、基礎学力構築と学習意欲の獲得にも有効であることが明らかになってきたからであります。そして、今一つ、珠算式暗算能力に対する注目度の向上があります。
最近、珠算式暗算の素晴らしさと不思議さに内外の数学者が注目し始めました。昨年7月には、珠算界と数学界が「珠算式暗算のメカニズム解明」をテーマに共同研究をスタートさせました。近い将来、その研究成果が世界の教育界に役立つことが期待されています。今まさに、珠算の教育的効果と社会的貢献度の高さに世間の注目が集まってきたといっても過言ではありません。
Img_2354 Img_2357 Img_2362 Img_2364 Img_2366 Img_2367 Img_2368 Img_2372 Img_2374 新年にあたり、皆さんと共に珠算技術の向上と人間的成長を神前で祈願し、今年一年が新しい飛躍の年になりますよう祈念いたします。
*写真はブラジルのフンベルトさんが撮影したものを掲載しました。

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2010年1月 2日 (土)

No.266 正念場を迎えた珠算教育強化運動 in 2010 in Osaka

正念場を迎えた珠算教育強化運動in 2010

大阪における珠算教育強化の指標としては、大阪商工会議所が所管する13級珠算能力検定試験受験者数の推移がふさわしい。
 昭和50年代半ばから平成16年度まで20数年間続いた珠算学習者の減少傾向は、17年度から増加に転じ3.1%の増加となり、18年度は6.8%、19年度は7.1%、20年度は7.7%の年間増加率を記録した。21年度は6月期が10.3%、10月期は7.1%の前年同期比伸び率である。

全国ベースでは大阪よりも1年遅れで18年度から上昇に転じ、年間45%の伸びを示している。大阪エリアの珠算教育は、17年度から5年間年毎に充実の度合いを高めてきたことがうかがえる。

これは、大阪エリアの珠算指導者が長期にわたり地道な努力を行い、知恵を絞り工夫を凝らしてきた結果に他ならない。大阪のみならず近畿一円が強く結束して可能な限りの活動を行ってきたことが、近畿エリア全体での珠算教育活性化につながった。

平成22年度の珠算教育界が、17年度から上昇に転じた珠算教育再評価の流れに乗って、どのような活動を行い教育再生に寄与するのか、また、どのような形の社会貢献を果たすのか、想定される珠算振興のための更なる活動を列記しながら予想してみたい。

■新学習指導要領に基づく新しい小学校教育は23年度から実施される。2122年度の2年間は、理科・算数科教育重視の観点から、新しく配当された内容の先行実施が補助教材を使って行われていく。

4年生での珠算指導も算数科の重点項目に加えられたため、3年生に続いて指導が行われる。両学年での指導時間は6時間が配当されている。

■学校支援珠算指導活動は大阪では10年目の展開に入る。本年度からは大阪府教育委員会と協調して活動を行うことになった。12年度に53校からのリクエストに応えてスタートしたが、年毎に依頼校数が増え、前年度は143校に出校指導を行った。本年度は4年生の指導が加わり前年を上回る学校数になることが予想される。

PR活動は21年度に重層的展開が実現した。日珠連が20年度に続いて全国ネットでTVCM放映を行い、近畿連合はラジオとTVを使っての活動を行っている。大珠協も21年度は単独で新聞1面全紙を使ってのPR展開を行っている。他の団体も独自のPR活動を行っているので、1年間を通じて珠算学習の重要性と必要性を理解してもらうための環境が整った。

■珠算に関する研究活動は、恒例の大珠協指導者講習会が近畿各地から250名を越える参加者を集め終了した。また、6年ぶりで大珠協が幹事団体として東西珠算懇談会を神戸で開催し、基調講演とシンポジュームには200名を超える各地からの指導者が集った。日珠連の有識者懇談会が行う研究活動や日数協との共同研究もスタートを切った。大阪教育大学との交流・連携の強化も進みつつある。

■教育行政サイドとの協調は年毎に強まり、文科大臣との懇談、府教委との協調、府議会教育部会との連携などで珠算教育強化の実効をあげつつある。

■尼崎市は43市立全小学校で、「計算科」でのそろばん指導を21年度からスタートさせた。46万都市全体で珠算指導での教育効果向上を目指す形となった。このシステムは25年度まで継続して行われることが決まっている。

■ここ数年、マスメディアとの連携強化に力を注いできたが、21年度は読売新聞大阪本社の動画ニュースの取材を集中的に受けた。10月からは大珠協HPに同社の動画ニュースに直結するタイトル見出しを作成した。同時に同新聞大阪本社の動画ニュース「動画よ~みて」とリンクで結び、相互の連携を深めながら、取材ソースの提供に努めることにしている。

■広報活動の強化を計るとともに、良質の珠算関連情報を迅速に提供するための大珠協HPリニューアルがほぼ完成した。全国の珠算教育関連HPの中では、格段のクオリティの高さを誇り、ほぼリアルタイムでの諸情報伝達が実現した。収載内容はよく整理されて、見易さも大きく向上した。アクセス数も11月に10万を超えた。

本年は、年頭から上記の活動を行いつつ珠算学習人口を増加させるために全力を投入することになる。学習指導要領改訂が行われたいま、23年度からの新しい教科書の中でそろばん指導がどのように扱われることになるのか、小学校現場でのそろばん指導が3・4年生にどこまで効率的に実施されるのか、小学校教員のそろばん指導スキルをどのように確保し高めていくのかなど、今後の解決すべき課題は少なくない。

1人でも多くの珠算理解者を増やしながら、珠算学習を普及させることで教育再生に寄与し、ひいては社会貢献を実現できるように知恵を絞っていかなければならない。

平成22年は、珠算指導者にとって、使命感と緊張感を持って教育再生事業の一翼を担いつつ社会貢献を成し遂げていく意義深い1年になることを祈念したい。

本稿は、(社)大阪珠算協会 森友 建副会長が執筆した。 

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2009年12月31日 (木)

No.265 平成22年1月1日 年頭所感 「珠算教育強化の骨格」 in Japan

平成22年〖年頭所感〗

珠算教育強化の骨格

新年のお祝いを申し上げます。

年頭にあたり、珠算教育界の現状を分析すると共に、珠算指導の理念を明らかにして珠算教育強化の骨格を考えてみたい。

■珠算界の現状認識

今、珠算の教育効果を評価し、特に初等教育の中で珠算指導を強化すべきとする時代の流れが出来上がってきた。教育界でも、珠算学習を通じて基礎学力の構築、子供力の向上を図るべきであると考え始めている。

社会全般においては、長期にわたる電卓・コンピュータの普及が進み、より早く、より簡単に答えを求める合理性、効率性が重視され、機械に頼る傾向が徐々に強まっている。その結果、幼少年期に必要な蓄積を要するトレーニングが敬遠され、物事を継続して行う力と耐える力が減退し、子供たちの学力低下にも微妙な影響を与えてきた。

しかし、数年前から珠算学習者が大幅に増加してきた。その理由は、そろばんを使って算数の基礎的な部分を学ぶ有用性と楽しさ、そして、分かりやすさが見直されてきたことと、珠算学習が基礎学力構築と人間力養成に有効であることが明らかになってきたからである。今一つの理由は珠算式暗算力の習得であろう。最近、珠算式暗算のすばらしさと不思議さに国内外の数学者が注目し強い関心を持ち始めた。特に、海外の教育界は、珠算の教育的効果と社会貢献度の高さに強く注目し始めている。

この珠算教育再評価の流れは次の要素が形作ったと考えられる。

9年間の学校支援珠算指導活動の全国展開

②平成16年度からの尼崎市「計算(そろばん)特区」による珠算指導の展開により、珠算学習の教育的効果が明らかになった

11年間の各珠算団体や各地エリアの珠算教育強化PR展開で、“今なぜ珠算なのか”が明快に説明され世論の珠算理解を促進した

 ④約30年間のゆとり教育が子供たちの基礎学力低下につながり、教育再生の盛り上がりを生み出した

 ⑤子供たちの基礎計算能力の低下が親たちの危機感を増幅させた

■日本珠算連盟運営の理念 

減少し続けた珠算学習者数が平成18年度から増加に転じ、その後年率数%ずつの伸び率を示している。努力の末手にした珠算再評価の流れをより確たるものにするためには、現代の科学主義・効率主義の時代に“なぜ珠算なのか”のより明快な説明とともに、日珠連の経営理念(規範・原理原則)の確立が求められる。その理念の枠組は以下のように構築している。

①自己規制➠品位と品格を保持(公正中立+公明正大+無私無欲)

②活動基準➠社会貢献の実現と会員の利益優先

③指導基準➠生徒の人間作り、基礎学力構築、伝統文化伝承、脳機能開発

■まとめ

今後の課題は、文科省の珠算理解度向上、学校サイドとの連携強化(現場での珠算指導支援と教師の珠算指導力確保)、珠算の学術的研究推進などである。中でも、今後の珠算教育強化を決定付けるものは、珠算学習が子供たちの脳機能活性化に役立ち、教育的効果をもたらすという研究データ(情緒の安定と学習意欲の向上をもたらす)をエビデンスとして広報しながら、珠算指導を効果的に行い、珠算に対する社会の評価を獲得することであろう。そのことこそが珠算指導の究極の目標といえる。

■本稿は、日本珠算連盟 森友 建理事長が執筆した。

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