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2012年3月 5日 (月)

No.383 コラム「散歩道」に主張を掲載される in Osaka

Img3月2日付大阪日日新聞朝刊11面コラム「散歩道」(読者のひろば)で、論考『今こそ、そろばん』(大阪市中央区、森友 建、大阪珠算協会会長執筆)が掲載された。
ICT化とデジタル化が進み、人間の能力や子供たちの学力面での影響が懸念される状況になってきた。人間力回復、アナログ的な思考回路の確保などが急がれる今、珠算教育の本質を明らかにし指導強化を目指すうえで、理論武装が課題になってきた。以下に転記する拙稿がこれらの一助になれば幸いである。

D昨今、教育の中でもICT(情報通信技術)化が進み、教科書のデジタル化も現実のものとなってきた。今や、より早くより簡単に答えを求める合理性、効率性が重視され、機械に頼る傾向がますます強まってきた。その結果、子供たちの思考力・創造力が減退し、基礎学力が低下したといわれている。

Aしかし、数年前から珠算学習者が増えてきた。その理由は、そろばんを使って算数の基本的な部分を学ぶ楽しさ、分かりやすさが評価されたことと、珠算学習が基礎学力と人間力養成に有効であるからだと思われる。また、珠算式暗算能力に対する世間の注目が増してきたことも理由の一つだろう。

コンピュータの普及とその使用からはいろいろの弊害・問題点が生じてくるといわれる。反面、珠算は人間の基本的能力を磨き身に付けていく技術であり、トレーニングの過程で得られる忍耐力・向上心などは、正に教育の基礎・基本でもあり、機械化の弊害を薄める効果も期待されている。

B最近の研究では、珠算学習で脳機能が活性化されることが明らかになってきた。特に、前頭前野が発達することで、子供たちの情緒が安定し、学習意欲が向上するというデータが得られたことは、珠算教育強化のエビデンス(根拠)になると考えてよいと思う。

経済同友会代表幹事の長谷川さんは「能力に応じて結果が出せる人、あるいは選ばれたエリートには徹底した競争の場を設けることが必要だ」と、人材育成の眼目を語っている。まさに、珠算塾が持つ特性そのものを評価している感がする。

C同協会が大阪商工会議所と共催している「外国人のための珠算講座」は26年目を迎えたが、既に90ヵ国の1015人が受講した。受講生たちは高学歴者で、珠算を東洋の高度な異文化、特異な計算技術と高く評価する。珠算が持つ現代性、世界性、普遍性が立証された。外国人が珠算学習で獲得するもののトップスリーは、暗算力、集中力、チャレンジといわれる。

そろばんを習う子供たちは、日本の財産であり、有為の人材集団である。世界の評価に耐えうる日本の国づくりに、直接参加する気概を持ち、学問・珠算・スポーツに打ち込んでほしいと思う。

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