No.360 スーパーコンピュータ「京」性能ランキングで世界一 in Kobe
■ スパコン性能ランキング「Top 500 リスト」は、米国の大学などが毎年6月と11月に発表し、今回は37回目。(独)理化学研究所と富士通が共同開発しているスーパーコンピュータ「京」(ケイ)が、性能ランキングで2位を大きく引き離して世界一になった。
■(独)理化学研究所は物理・化学・工学・生物学・医科学などの分野で、基礎研究から応用研究まで行う、日本唯一の自然科学総合研究所である。播磨・筑波・横浜・神戸などにキャンパスがあり、総計182万㎡の敷地がある。スパコンは、国家プロジェクト事業として、国が事業主体となり文部科学省に「次世代スーパーコンピュータ整備推進本部」を置き、理化学研究所神戸キャンパス「計算科学研究機構」で開発・整備を行っている。2012年11月の共用開始を目指している。
■ 6月に、同研究所野依良治理事長と富士通間塚道義会長が共同記者会見で、今回のランキング一位について次の内容のコメントを行った。野依理事長・・①日本の産業技術がいまだ健在であることを証明できた。 ②研究者は世界一の研究基盤に集まる。国際的に優秀な人材の吸引力になる。
■間塚会長・・①最先端技術に挑み続けた成果である。日本復興のパワーにしたい。 ②世界一に挑戦する中で、イノベーションが生み出され、若手のエンジニアが頑張った。世界一に挑戦するということは重要なことだ。
■「京」開発の政府予算は総額1120億円であり、世界一の意義については今後の利活用の在り方と、人づくりの成否によって微妙な変化が出そうである。なお、日本のスパコンが世界一位になったのは、海洋研究開発機構が運用、NECが開発した「地球シミュレータ」以来7年ぶりとなる。
■神戸ポートアイランドにある同研究所入り口には、そろばん玉で18ケタを表すモニュメントがあり、数の単位「京=ケイ」を表している。京(ケイ)は、億の1億倍で、兆の1万倍。10の16乗である。現代科学の最先端を行くスパコン開発のシンボルとして、そろばん玉が選ばれたことは、日本科学の基礎を培ってきた珠算の意義をモニュメントに表し、敬意を表してくれていると理解したい。
■2枚の写真は次のブログに掲載のものを使わせてもらった。
http://blogs.yahoo.co.jp/dekunobou36/50986296.html
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