No.323 外国人講座 取材を受ける at O.A.A.
■ 10月23日、「外国人のための珠算講座」がイオ光ケーブルテレビの報道取材を受けた。9時40分から1時までの長時間取材であった。同講座は、1986年6月に開講し現在25年目の活動に入っている。本日までに、85ヵ国から968人の受講者数となっている。なお、同講座は、(社)大阪珠算協会と大阪商工会議所の共催事業であり、大阪府教育委員会の後援を受けている。
■今回の取材は、いま、そろばんが見直されているが、その理由は何か?そして、具体的にはどのように見直されているのか、ということをテーマに行われた。取材は、尼崎市立杭瀬小学校の計算科授業の内容と、同協会の外国人講座の展開内容について行われた。
■ 外国人講座の受講生は高学歴者(知識者層)が多く、最近の入門者は、過半が大学院生である。特に、大阪大学の修士課程や博士課程で研究を行う留学生が多い。今日の講座でも2名の入門者があった。一人は、ロシア人男性のNikita Shportko (ニキータ シポルトコ)さんで大阪大学大学院の修士課程1年である。研究エリアはPolitical Science (政治学)。今一人はロシア人女性のMarina Demeshko (マリナ デメシュコ)さんで大阪大学大学院博士課程1年である。専攻はPhisics (物理学)。
■両者ともに、日本文化としてのそろばんをもっと知りたいという動機での入門である。彼らの目には、そろばんは伝統的な日本文化の一つであると映っている。今まで、ある種の好奇心からの入門者がほとんどである。しかし、そろばんでの計算になじんでくると、今まで自分が行ってきた計算方法とは異質の高度な独特の計算テクニックであることに気付く。しばらくして、珠算式暗算を理解し始めると、今一度、大きな驚きを覚えることとなる。筆算式の暗算がすべてであると思っていた彼らは、珠算式の高速で正確な暗算技術を自分自身が習得し始めたことにカルチャーショックを覚える。また、自分の中に、そのような技術を使いこなせる能力があったこと自体にびっくりする。
■ 当初の好奇心のみの動機が、これらの体験を通じて変化し、もっと自分の能力を試してみようという境地に入っていく。平素から、機械に頼りながら研究を行っていることで抱いていた不安感が、このヒューマンな計算技術を習得する過程で解消できるのではと考え始める。このような段階を経てそろばんの魅力に取りつかれていくのが一般的なパターンといえる。
■彼らの目には、このすぐれた文化性の高い計算技術を、日本人が軽視していることが不思議なことと映っている。日本人も、今一度伝統的な計算文化であるそろばんでの計算術を再認識して、教育に、そして社会活動に役立てていくことを考えてみなければならない。
■今日の取材は、J Works (TV production) のディレクター進藤功充氏が行った。英語も堪能な気鋭の記者で、いい取材を行てもらった。編集を終えて、27日午後4時からのニュース枠で放映される。
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