No.315 22年度 珠算指導者講習会第2日目が開催される at O.C.C.I
■ 9月20日、(社)大阪珠算協会主催珠算指導者講習会第2日目が大阪商工会議所地階大会議室で開催された。約180名の聴講者が参集した。第1講座は尼崎市立浦風・難波小学校 計算科講師 田村聡子先生が担当した。第2講座では、日本珠算連盟 松阪支部 磯田記子先生が講演した。
■第1講座のテーマは「そろばん指導で子供は変わる」、第2講座は「わたしのそろばん」~小学生から大学生まで~であった。
■ 第1講座の田村先生は、武庫川女子大学文学部教育学科を卒業されたが、卒業論文のテーマは「江戸時代のそろばん」~塵劫記をとおして~であった。尼崎市の計算科講師には平成18年に着任し、現在5年目である。浦風小学校と難波小学校の2校で指導に当たっている。10年前から、ボーイスカウト(「Scouting for boys 」というタイトルの書物から世界に広がった青少年の健全育成を目的とした世界組織で、160ヵ国・地域の2800万人が所属している)の指導員を務め、奈良県下の分団副隊長を務めている。また、日珠連と日数協の共同研究に携わる日珠連サイドの研究員(草柳康子+田村聡子)でもある。
■講話の内容は、
Ⅰ なぜ、成績が算数のみならず、国語、社会、理科も伸びたのか?
①スタート時の状況~平成18年度~ ②指導したこと ③小学校ならでは! ④変化 ⑤子供たちの感想 ⑥教師の感想
Ⅱ はたして、そろばん学習~計算科~から何が学べるのか?
①体感 ②達成感 ③緊張感 ④学ぶこと ⑤エピソード ⑥私の感想 ⑦今後の課題
という、組み立てであった。
■ 4年半の指導体験に基づく様々な角度からの、子供たちの学校での実情、学校教育の内実、教師たちの教育に当たる使命感と覚悟のほど、日本の教育行政の現状などについて、実例に則った裏話がきわめてリアルな形で語られた。今までは、大いなる成果と今後の課題について報告されることが多かった。今回のような、現場での小さな悩みや迷い、些細な喜びや反省などについてのありのままの報告は、おそらく初めてのものではなかったか。そのために、講話の内容は、リアルである分新鮮度も高く、聞くものに爽やかな感動と勇気を与えるものであった。
■締めくくりの、今後の課題の一つに挙げられた、“目新しいものに対する一時的なブームは過ぎた。今後、継続的に高水準でみんなの興味、関心、学習効果を維持したい”・・・という彼女のつぶやきは、実施母体の教育行政サイドと現場で活動する教師全員が共有するべき大事な発言である。考えさせられることの多い、クオリティの高い講座であった。
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