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2010年1月 2日 (土)

No.266 正念場を迎えた珠算教育強化運動 in 2010 in Osaka

正念場を迎えた珠算教育強化運動in 2010

大阪における珠算教育強化の指標としては、大阪商工会議所が所管する13級珠算能力検定試験受験者数の推移がふさわしい。
 昭和50年代半ばから平成16年度まで20数年間続いた珠算学習者の減少傾向は、17年度から増加に転じ3.1%の増加となり、18年度は6.8%、19年度は7.1%、20年度は7.7%の年間増加率を記録した。21年度は6月期が10.3%、10月期は7.1%の前年同期比伸び率である。

全国ベースでは大阪よりも1年遅れで18年度から上昇に転じ、年間45%の伸びを示している。大阪エリアの珠算教育は、17年度から5年間年毎に充実の度合いを高めてきたことがうかがえる。

これは、大阪エリアの珠算指導者が長期にわたり地道な努力を行い、知恵を絞り工夫を凝らしてきた結果に他ならない。大阪のみならず近畿一円が強く結束して可能な限りの活動を行ってきたことが、近畿エリア全体での珠算教育活性化につながった。

平成22年度の珠算教育界が、17年度から上昇に転じた珠算教育再評価の流れに乗って、どのような活動を行い教育再生に寄与するのか、また、どのような形の社会貢献を果たすのか、想定される珠算振興のための更なる活動を列記しながら予想してみたい。

■新学習指導要領に基づく新しい小学校教育は23年度から実施される。2122年度の2年間は、理科・算数科教育重視の観点から、新しく配当された内容の先行実施が補助教材を使って行われていく。

4年生での珠算指導も算数科の重点項目に加えられたため、3年生に続いて指導が行われる。両学年での指導時間は6時間が配当されている。

■学校支援珠算指導活動は大阪では10年目の展開に入る。本年度からは大阪府教育委員会と協調して活動を行うことになった。12年度に53校からのリクエストに応えてスタートしたが、年毎に依頼校数が増え、前年度は143校に出校指導を行った。本年度は4年生の指導が加わり前年を上回る学校数になることが予想される。

PR活動は21年度に重層的展開が実現した。日珠連が20年度に続いて全国ネットでTVCM放映を行い、近畿連合はラジオとTVを使っての活動を行っている。大珠協も21年度は単独で新聞1面全紙を使ってのPR展開を行っている。他の団体も独自のPR活動を行っているので、1年間を通じて珠算学習の重要性と必要性を理解してもらうための環境が整った。

■珠算に関する研究活動は、恒例の大珠協指導者講習会が近畿各地から250名を越える参加者を集め終了した。また、6年ぶりで大珠協が幹事団体として東西珠算懇談会を神戸で開催し、基調講演とシンポジュームには200名を超える各地からの指導者が集った。日珠連の有識者懇談会が行う研究活動や日数協との共同研究もスタートを切った。大阪教育大学との交流・連携の強化も進みつつある。

■教育行政サイドとの協調は年毎に強まり、文科大臣との懇談、府教委との協調、府議会教育部会との連携などで珠算教育強化の実効をあげつつある。

■尼崎市は43市立全小学校で、「計算科」でのそろばん指導を21年度からスタートさせた。46万都市全体で珠算指導での教育効果向上を目指す形となった。このシステムは25年度まで継続して行われることが決まっている。

■ここ数年、マスメディアとの連携強化に力を注いできたが、21年度は読売新聞大阪本社の動画ニュースの取材を集中的に受けた。10月からは大珠協HPに同社の動画ニュースに直結するタイトル見出しを作成した。同時に同新聞大阪本社の動画ニュース「動画よ~みて」とリンクで結び、相互の連携を深めながら、取材ソースの提供に努めることにしている。

■広報活動の強化を計るとともに、良質の珠算関連情報を迅速に提供するための大珠協HPリニューアルがほぼ完成した。全国の珠算教育関連HPの中では、格段のクオリティの高さを誇り、ほぼリアルタイムでの諸情報伝達が実現した。収載内容はよく整理されて、見易さも大きく向上した。アクセス数も11月に10万を超えた。

本年は、年頭から上記の活動を行いつつ珠算学習人口を増加させるために全力を投入することになる。学習指導要領改訂が行われたいま、23年度からの新しい教科書の中でそろばん指導がどのように扱われることになるのか、小学校現場でのそろばん指導が3・4年生にどこまで効率的に実施されるのか、小学校教員のそろばん指導スキルをどのように確保し高めていくのかなど、今後の解決すべき課題は少なくない。

1人でも多くの珠算理解者を増やしながら、珠算学習を普及させることで教育再生に寄与し、ひいては社会貢献を実現できるように知恵を絞っていかなければならない。

平成22年は、珠算指導者にとって、使命感と緊張感を持って教育再生事業の一翼を担いつつ社会貢献を成し遂げていく意義深い1年になることを祈念したい。

本稿は、(社)大阪珠算協会 森友 建副会長が執筆した。 

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