No.236 大阪府立視覚支援学校を訪問 in Sumiyoshi
■ 7月27日、大阪市住吉区にある大阪府立視覚支援学校を訪問、二人の教頭先生(坂口・橋下)と6年担任の先生にお会いし懇談した。訪問者は、大珠協森友副会長、田中監事と中野まさし大阪府議会議員であった。同校は、幼児から成人まで目が見えにくい人、目が見えない人または将来目が見えなくなる可能性のある人に対して幼児教育、学校教育、職業教育を行っている。創立は大正3年で、吉田多市、志岐与市の両氏が自己資金と寄付金で西区北堀江通に大阪訓盲院(盲人教育機関)を開設したことから始まる。
■その後、(社)天王寺盲学校、大阪府立盲学校と改称して、平成20年4月、学校教育法の改正に伴い大阪府立視覚支援学校となった。在籍生徒数は、筑波大学付属校(約170名)に次いで全国で2位である。公立校では第1位校で約140名が学んでいる。その内18歳以上の専修部在籍者が約60名である。校暦は京都府立校に次いで二番目に長い。
■ 安元校長先生の言われる、大阪府内はもとより全国の視覚障害教育のセンター校的役割を果たすべく、教職員一人ひとりが高い倫理観と職業意識を持って、社会の変化に対応できる教育を行っている。学校全体は清掃が行き届き極めて清潔で、建物・施設を大切に使っていることが印象的であった。教職員の方々の対応も丁寧で、学校と幼児児童生徒を大切にしながらの教育を実践していることが伝わってきた。
■そろばんの指導は2年生から行われており、毎週1時間程度を当てているケースもある。1年生の間に数の概念や数感覚を形成して、その後は筆算ではなくてそろばんを使っての計算指導を進めていくようである。筆算をベースにした計算指導は視覚障害のある人たちには上手く機能しないという趣旨の説明は驚きであった。
■ 今、「そろばんをベースにした算数教科書」の作成作業を目指しているが、筆算をソフトとして使わないでそろばんがその役割を演じる指導がここで実際に長期にわたり実践されていることは、今後の研究に活かされてくるのではと期待している。
■9月には、第37回全国盲学校珠算競技大会(隔年開催)が全国盲学校長会・(財)青鳥会・毎日新聞社点字毎日の主催で開催される。また、日本商工会議所主催の視覚障害者珠算検定試験も第44回を数えている。大阪府議会議員 中野まさし氏も懇談に加わっていただいたが、たくさんのことを学ぶことが出来た貴重な学校訪問であった。
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コメント
こんにちは、森友先生。
かって、日球連・専務理事を務めさせていただいた土橋です。現在は、(財)日本容器包装リサイクル協会という団体の事務局長を務めています(日商からの出向)。時々、日珠連のことを思い出しますが、森友先生の事は、英語ソロバン指導で強烈な印象が残っています。追い風が吹きつつある珠算会、ますますのご活躍を。
なお、ここに登録したメールアドレス、HPのURLは私の個人的なものです。
投稿: 土橋和則 | 2009年7月28日 (火) 17時44分