No.235 21年度指導者講習会 at O.C.C.I
■ 7月26日、(社)大阪珠算協会主催の指導者講習会第1+2講座が開催された。大阪商工会議所地階大会議室で、191名の各地からの指導者が集い研修を行った。第3+4講座は9月21日、第5+6講座は11月23日に開催される。
■担当の法橋常務理事の開会挨拶に続いて、大珠協森友副会長が珠算界の現状報告を行ったあと、第1講座は「算数指導とそろばん」を演題として、大阪教育大学数学科 柳本朋子教授が講演した。第2講座は「幼児教育から珠算教育へ」と題して、岐阜珠算振興会の赤堀真基先生が担当した。
■ 大阪府では、橋下知事が陣頭指揮を執り、基礎学力向上を実現させるべくいろんな手立てを講じながら、教育行政、教育現場そして大阪教育大学が一体となって努力を傾けている。全国共通テストにおいて、過去2回ワースト3にランク付けされた大阪府下の子供たちの学力を向上させるために、各分野で知恵を絞っている。そして、これら2回の共通テストの算数・数学の問題を解析し、またそれらの成績を分析する作業は大阪教育大学が担っている。
■ 出題と成績の解析と分析を通じていろんな反省点と指導の問題点が明らかになってきている。それら一連の作業の指揮を執っているのが柳本教授であるが、見えてきた課題について珠算指導者に分かりやすく説明が加えられたが、それらの内容は今後の珠算指導の方向付けにも影響を与えそうである。
■ 例えば、①問題に対して殆ど瞬間に反応することが誤答につながっている ②じっくり論理的に考えることが苦手である ③小学生の間に行うべき思考訓練が不足している ④具体物には理解を示すが、そこから抽象化していくことが苦手である ⑤何故そうするのか・・が欠落しているケースが多い・・などの指摘があった。
■硬直した筆算の計算システムにこだわりすぎないで、そろばんの仕組みを筆算の仕組みに活かしながら新しい筆算の可能性を見つけ出していく試みが必要であると力説されていた。そろばんと筆算の融合は今後かなりの部分で可能であるとも語り、今後の珠算界との共同研究にも期待感を示されていた。8月23日に開催される東西珠算懇談会でのシンポジュームのパネリストとしても発言されるが、このあたりの課題を掘り下げて議論したい。
■今、珠算界では、数学界との間でクロスオーバー的な研究活動が始まっている。例えば、日本数学協会との共同研究第1弾として「珠算式暗算のメカニズムの解明」を決めた。また、第2次そろばん有識者懇談会の研究テーマの一つとして、「そろばんをベースにした算数教科書」の作成を考えている。8月23日の東西珠算懇談会シンポジュームでは、「小学校教育の中でのそろばん指導強化策」をテーマに議論を交わすことにしている・・・・などである。
■ そろばんと筆算のメカニズムを比較し共通点と相違点を検証することで、両者の融合を図るとともに算数力強化の実現が期待できるのではと考えている。異なるものの交わりから何かが生まれることを期待している。
*内田理事撮影の写真も挿入した。
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