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2009年7月 5日 (日)

No.230 外国人講座受講生1級に合格 in Osaka

061 059 069 (社)大阪珠算協会と大阪商工会議所の共催事業である「外国人のための珠算講座」は、1986年6月に開講し丸23年が経過した。協会の先生方の献身的なボランティア指導で年々人気は上昇している。21年度からは大阪府教育委員会の後援事業として認可を受け、新しい第1歩を踏み出した。

064 068 066 7月4日時点で、受講生は世界中の82カ国から940人が参加し受講した。常時35名前後の受講生が在籍し、毎週土曜日の10時から12時までの2時間の講座を受講している。日本語が理解できる人は日本語で、英語しか使えない人には英語での指導を行っている。指導に当たる協会の先生方は珠算の指導経験が長く、高段位の取得者も多い。

■原則ワンツーワンで指導するので、殆どが高学歴の受講者であるから、その進歩は目を見張るものがある。1週間に1度の練習であるが、適度の宿題が出されるので、塾での指導システムと比べても、遜色はない。毎回の授業半ばでセットするブレークタイムでは、たくさんの国から来ている受講生の交歓が行われる。また、終了後のランチタイムも異国間文化交流の貴重な場になっている。

065 057 058 6月28日に第186回珠算能力検定試験(1・2・3級)が日本商工会議所主催で全国一斉に行われた。外国人講座では、ブラジル人のHumbert Baba(フンベルト・ババさん)33歳男性が1級にチャレンジした。日系二世で、母親(日本人)からブラジルでそろばんの手ほどきを受けた。2007.2.10に外国人講座に入門。2年4ヶ月が経過している。

■フンベルトサンの成績は、見取算90/×算95/÷算55で合計240点で1級に合格した。23年間で、1級合格者は二人目である。1人目は台湾からの関西大学大学院研究者陳さんで、20年も前のことである。講座から受験して1級合格を果たして後、アメリカの大学院に入学、博士号をとって帰国。台湾で貿易商を後継している。

■フンベルトさんは、サンパウロ大学で電子工学を学び、2004.5に来日、ソフトウエアエンジニアとして活躍中。映画鑑賞、トレッキングが趣味で近作“おくりびと”に深い感銘を受けた。近畿エリアでは奈良がお気に入りで、緑と静けさ、伝統の味わいが魅力的という。

■同じくブラジル人のMarina Oikawa(マリアナ・オイカワさん)24歳の女性。日系四世で、2007.4に文部科学省の国費留学生として来日した。現在は奈良先端科学技術大学院大学のマスターコース2年生。専攻はコンピュータサイエンスであるが、フィールドは、“計算機視覚と拡張現実感”である。

■マリナさんは3級に初挑戦。結果は、見取算80/×75/÷100で合計255点、見事に合格であった。趣味はそろばん、ギター演奏で、大好きな曲は、“The Scientist”(Coldplay)である。ブラジルのFederal University of Para(パラ大学)卒業である。

■講座には、関西の大学院研究者が多く在籍中であるが、近代科学を追及する彼らが何故日本のそろばん技術の習得にエネルギーを費やすのか、現代社会の不思議の一つである。知的レベルの高い彼らが納得し追求したくなる、something special(何か不思議なもの)がそろばんには内包されているのかもしれない。彼らの手を通じて、世界にそろばんが広がりつつあるのは事実である。

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コメント

フンベルト、すごーい。1級ですね。
二人とも、おめでとう

投稿: テオドラ | 2009年7月 8日 (水) 04時29分

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