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2009年7月28日 (火)

No.236 大阪府立視覚支援学校を訪問 in Sumiyoshi

198 199 200 7月27日、大阪市住吉区にある大阪府立視覚支援学校を訪問、二人の教頭先生(坂口・橋下)と6年担任の先生にお会いし懇談した。訪問者は、大珠協森友副会長、田中監事と中野まさし大阪府議会議員であった。同校は、幼児から成人まで目が見えにくい人、目が見えない人または将来目が見えなくなる可能性のある人に対して幼児教育、学校教育、職業教育を行っている。創立は大正3年で、吉田多市、志岐与市の両氏が自己資金と寄付金で西区北堀江通に大阪訓盲院(盲人教育機関)を開設したことから始まる。

■その後、(社)天王寺盲学校、大阪府立盲学校と改称して、平成20年4月、学校教育法の改正に伴い大阪府立視覚支援学校となった。在籍生徒数は、筑波大学付属校(約170名)に次いで全国で2位である。公立校では第1位校で約140名が学んでいる。その内18歳以上の専修部在籍者が約60名である。校暦は京都府立校に次いで二番目に長い。

201 202 安元校長先生の言われる、大阪府内はもとより全国の視覚障害教育のセンター校的役割を果たすべく、教職員一人ひとりが高い倫理観と職業意識を持って、社会の変化に対応できる教育を行っている。学校全体は清掃が行き届き極めて清潔で、建物・施設を大切に使っていることが印象的であった。教職員の方々の対応も丁寧で、学校と幼児児童生徒を大切にしながらの教育を実践していることが伝わってきた。

■そろばんの指導は2年生から行われており、毎週1時間程度を当てているケースもある。1年生の間に数の概念や数感覚を形成して、その後は筆算ではなくてそろばんを使っての計算指導を進めていくようである。筆算をベースにした計算指導は視覚障害のある人たちには上手く機能しないという趣旨の説明は驚きであった。

Img 今、「そろばんをベースにした算数教科書」の作成作業を目指しているが、筆算をソフトとして使わないでそろばんがその役割を演じる指導がここで実際に長期にわたり実践されていることは、今後の研究に活かされてくるのではと期待している。

■9月には、第37回全国盲学校珠算競技大会(隔年開催)が全国盲学校長会・(財)青鳥会・毎日新聞社点字毎日の主催で開催される。また、日本商工会議所主催の視覚障害者珠算検定試験も第44回を数えている。大阪府議会議員 中野まさし氏も懇談に加わっていただいたが、たくさんのことを学ぶことが出来た貴重な学校訪問であった。

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2009年7月27日 (月)

No.235 21年度指導者講習会 at O.C.C.I

Img Img_0001 Img_0002 7月26日、(社)大阪珠算協会主催の指導者講習会第1+2講座が開催された。大阪商工会議所地階大会議室で、191名の各地からの指導者が集い研修を行った。第3+4講座は9月21日、第5+6講座は11月23日に開催される。

■担当の法橋常務理事の開会挨拶に続いて、大珠協森友副会長が珠算界の現状報告を行ったあと、第1講座は「算数指導とそろばん」を演題として、大阪教育大学数学科 柳本朋子教授が講演した。第2講座は「幼児教育から珠算教育へ」と題して、岐阜珠算振興会の赤堀真基先生が担当した。

026 185 186 大阪府では、橋下知事が陣頭指揮を執り、基礎学力向上を実現させるべくいろんな手立てを講じながら、教育行政、教育現場そして大阪教育大学が一体となって努力を傾けている。全国共通テストにおいて、過去2回ワースト3にランク付けされた大阪府下の子供たちの学力を向上させるために、各分野で知恵を絞っている。そして、これら2回の共通テストの算数・数学の問題を解析し、またそれらの成績を分析する作業は大阪教育大学が担っている。

Img_0003_2 Img_0004 Img_0005 出題と成績の解析と分析を通じていろんな反省点と指導の問題点が明らかになってきている。それら一連の作業の指揮を執っているのが柳本教授であるが、見えてきた課題について珠算指導者に分かりやすく説明が加えられたが、それらの内容は今後の珠算指導の方向付けにも影響を与えそうである。

187_2 190 197 例えば、①問題に対して殆ど瞬間に反応することが誤答につながっている ②じっくり論理的に考えることが苦手である ③小学生の間に行うべき思考訓練が不足している ④具体物には理解を示すが、そこから抽象化していくことが苦手である ⑤何故そうするのか・・が欠落しているケースが多い・・などの指摘があった。

■硬直した筆算の計算システムにこだわりすぎないで、そろばんの仕組みを筆算の仕組みに活かしながら新しい筆算の可能性を見つけ出していく試みが必要であると力説されていた。そろばんと筆算の融合は今後かなりの部分で可能であるとも語り、今後の珠算界との共同研究にも期待感を示されていた。8月23日に開催される東西珠算懇談会でのシンポジュームのパネリストとしても発言されるが、このあたりの課題を掘り下げて議論したい。

■今、珠算界では、数学界との間でクロスオーバー的な研究活動が始まっている。例えば、日本数学協会との共同研究第1弾として「珠算式暗算のメカニズムの解明」を決めた。また、第2次そろばん有識者懇談会の研究テーマの一つとして、「そろばんをベースにした算数教科書」の作成を考えている。8月23日の東西珠算懇談会シンポジュームでは、「小学校教育の中でのそろばん指導強化策」をテーマに議論を交わすことにしている・・・・などである。

Stomrm021_2 Stomrm022 Stomrm024 Stomrm025 Stomrm026 Stomrm148 そろばんと筆算のメカニズムを比較し共通点と相違点を検証することで、両者の融合を図るとともに算数力強化の実現が期待できるのではと考えている。異なるものの交わりから何かが生まれることを期待している。
*内田理事撮影の写真も挿入した。

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2009年7月20日 (月)

No.234 あんざんグランプリジャパン2009が開催される at Gig Site

Img Img_0001 7月19日、隔年開催のあんざんグランプリジャパン2009が早朝から開催され無事夕刻に終了した。会場は東京都有明(ベイエリア)にある東京ビッグサイトの会議棟6階ホールで、近代的な設備を持つ快適なホールであった。大会には、ジュニア部門(小学生以下)に94名、スクール部門(中・高生)に66名、シニア部門(大学生以上)には50名が参加し、合計210名の熱戦に巨大な空間もヒートアップした。

■今回が第4回目の開催であったが、3回が東京で、1回が姫路での開催である。(社)東京珠算教育連盟の先生方には前日から大変ご協力を頂き、当日の運営にも全面協力を頂き感謝したい。なお、この大会は暗算力のみを判定基準としてデザインされたオンリーワンのユニークな競技会である。

201 202 203 204 205 206 午前中は、①フラッシュ暗算 ②よみあげ暗算 ③かけ暗算 ④わり暗算 ⑤みとり暗算の5種目で予選・準決勝を行い午後の決勝進出者を決めた。午後は、これらの各種目・部門ごとに決勝が行われ、優勝者が決まった。各種目ごとの決勝戦順位で得られる持ち点を合計して、3部門ごとのあんざんチャンピオンが決定した。

207 208 209 211 213 214 左右2面の大型スクリーンにプロジェクターから競技場面が実写されて、熱戦の雰囲気が観客に上手く伝えられる仕組みで、ダイナミックな競技会であった。競技のシステムがやや複雑であったが、その分競技企画部会のスタッフ、東珠連スタッフ、事務局スタッフの苦心は大変であったと思われる。全国から210名の参加者を要する大きな大会であったが、観る者に感動を与えるクオリティーの高いイベントであった。

■大会は、東京珠算教育連盟菅野 明副理事長の開会の言葉で幕を開け、日本珠算連盟森友 建理事長の主催者挨拶に続いて、日本商工会議所宮城 勉常務理事、東京商工会議所岡部義裕常務理事が開会の挨拶を行った。今回は、ブラジルから3名の選手が特別参加し、大会を盛り上げた。

215 218 220 午後の決勝から、日本数学協会の岡部埼玉大学教授と有田多摩市立第二多摩小学校教諭が来場し観戦した。有田先生は、選手の計算動作にフォーカスしてビデオ撮影を行った。大会終了後、出場選手のうち、次の5名の選手・コーチに依頼して、両先生との懇談を行った。この懇談で、日数協と日珠連との間で、「珠算式暗算のアルゴリズムの解明」をテーマに共同研究をスタートさせるのが目的であった。

Img_0002 文部科学省の阿久根、パナソニックの岡田+高梨+大内、財務省四国財務局の稲田の各氏に参加してもらったが、それぞれ貴重な発言があり、後日各自の暗算手法についてのレポートの提出も依頼し、これからの研究がスムーズに進展する手立てとした。珠算独特の暗算について脳の奥深いところで何が行われているのかが明らかになれば、学校教育の組み立ても変化することになるかも知れない。期待感が膨らむ中味の濃い一日であった。

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2009年7月13日 (月)

No.233 日本数学協会 上野健爾会長と懇談 at Odaiba

185 187 188 7月12日、日本数学協会上野健爾会長ほか幹部とホテルグランパシフィック Le Daiba で懇談した。当日は、日本数学協会から、四日市大学 関 孝和数学研究所 所長の上野健爾先生、埼玉大学岡部恒治教授、多摩市立多摩第二小学校教諭 有田八州穂先生が参加、日珠連からは、森友 建理事長、珠算教育強化・連合委員会委員長草柳康子先生、中山 洋専務理事が参加した。

189 190 191 日本数学協会は数年前に、日本商工会議所の肝煎で、算数・数学と珠算の接点を見つけて相互の関連を明らかにし、共同して研究活動も行っていくことなどを目的にスタートした研究者集団である。組織には5つの分科会があり、その一つに珠算・和算分科会がある。珠算人の会員は殆どがこの分科会に所属している。また、多くの珠算団体が賛助会員として加盟している。

192 193 194 今まで、研究発表雑誌『数学文化』や『別冊数学文化』の発行や年次大会・講習会・研究発表会の開催、「計算力・思考力検定試験」(主催は日本商工会議所)の後援などを行い、数学愛好者の研究意欲を増進させる企画を推進してきた。

■本協会発足以来、日本珠算連盟としては、どのような形で日本数学協会と連携し、共同して研究を進めていくのかが不透明のまま時間が経過した。昨年、初めて東京大学で日数協幹部の先生方と懇談を行い、研究雑誌への寄稿や発表会での研究発表を積極的に行っていくことを確認した。

195 196 197 日数協幹部との今回の懇談では、今一度両者の連携のあり方を討議し、具体的な研究テーマの設定まで行った。まず、初回の共同研究のテーマは、“珠算式暗算のアルゴリズム”とした。珠算式暗算のすばらしさや特異性については広く知られているが、その暗算が行われる脳内でのメカニズムについては殆ど語られていない。先ずは、7月19日に行われるあんざんグランプリ2009に出場する選手の何人かに聞き取り調査を行うことから研究をスターとさせることにした。

■日本珠算連盟第2次そろばん有識者懇談会が間もなく発足するが、約十人程度のメンバーとなる。座長は日数協会長の上野先生を予定している。メインテーマは、「小学校におけるそろばん指導の強化策」+「そろばんで得られる効果の一層の明確化」であるが、今回の懇談からまず手を付けたい研究として、「筆算をそろばんに替えた算数教育」が検討され、同時に教科書を作ってみる、という企画が参加者の賛同を得た。

186 小学校の算数指導をそろばんを使って1年生から6年生まで行ったらどうなるのか?どのようなメリットが生じ、いかなる問題が出てくるのか・・と言う研究を推し進める中で、いろんな解決を要する課題が見えてくるのではないか。算数指導とそろばん指導の関係や接点の解明が先送りされてきたために、この分野の研究は立ち遅れてしまった。

■珠算教育強化と珠算学習の効用を広く世間にアピールしていくためにも、珠算の基礎研究を今から地道に積み重ねておく必要がある。珠算界の苦手とする領域であるがゆえにしっかり力を注いでおくことが大事と思われる。今後の活動に指針を与える実り多い懇談会であった。

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2009年7月10日 (金)

No.232 近畿連合10人委員会開催される at O.A.A.

Img 7月10日大阪珠算協会事務局で近畿連合10人委員会が開催された。出席者は、日珠連サイドは藤本・森友・西・山根、全珠連サイドは桜井・沢田・山口、全珠学連からは岡田の各先生がた、(株)新通からは前田副部長が参加した。

■近畿2府4県の3団体に加盟する珠算指導者約1300名で構成される近畿連合では、10年前から各人年間1万円を拠出してPR事業を継続して展開してきている。今年度は、日本珠算連盟が3500万円でTVCMを全国ネットで展開、全珠連ではラジオを使ってPR活動を行っている。大阪珠算協会も独自に500万円を投じて新聞1面全紙を使った広告を行う。年間を通じて、各団体が全国ネットや各地で夫々の広報活動を行うことで、PRの重層展開の効果が期待されている。

■近畿連合の今年度PR事業は、①関西テレビで15秒スポット92本+30秒のパブリシティを放映。時期は8月+9月と1月~4月までである ②毎日放送ラジオで20秒スポットを118本+「ありがとう浜村 淳」内でのパブリシティ5日間の放送+正月弾初め中継放送 ③Gyao15秒CMを1ヶ月間放送+画面にバナーを掲載+HPの特設 ④京都・滋賀県用KBSラジオで20秒スポットを15本放送・・・以上の内容である。

■なお、8月から始まるTVCMスポットでは、画面に “1年生になったらそろばんを!” というテロップを4秒間挿入して、低学年生に対するそろばんの勧めを強力に行うこととした。初めての試みであるが効果が期待される。

Img_0001 上記のラインナップでPR事業を推進していくが、総費用は1000万である。今年度は、加えて250万円を上限に、追加放映か放送を行うべく業者と交渉中である。

■今後も、テレビとラジオを使って積極的に珠算学習の効用と必要性を世間に呼びかけていく。今、日本は教育の危機に直面していることから、珠算教育を強化することで教育再生に役立つことを目指している。6月に行われた日本商工会議所主催の1・2・3級珠算能力検定試験では、全国ベースで前年同期比6.8%の増加を見た。大阪では10.3%の増加率であった。今や珠算学習が基礎教育の土台作りに欠かせない必須項目になりつつあることを示す数字である。珠算人の踏ん張りが大いに期待される所以でもある。

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2009年7月 9日 (木)

No.231 監査会、正副理事長会、総務会が開催される in Tokyo

207 209 210 211 212 215 7月6日、神田の事務局で20年度決算に伴う監査会が開催された。出席は、森友理事長+森田副理事長+平瀬会計担当理事+津田監事+舩橋監事+中山専務理事+高梨事務局員+原田事務局員であり、武田会計顧問が同席した。

■10時半から16時半まで、帳票類のチェック、会計処理の適否、決算内容の分析、年間事業展開の解析を行った。同時に、連盟の事業をより効果的に展開するための組織のあり方、事務局体制の堅牢化、意思決定過程の問題点などにも議論は及び、中味の極めて濃い会合であった。

216 217 219 4300名になんなんとする大きな組織体の会計・財務全般に及ぶ監査をより精度の高いものにするためには、監査体制そのものにも今後検討を要する課題が存在することを確認した。

■決算の詳細については、いずれ「日本珠算」に掲載することになるとともに、9月19日の総会で承認を受けて確定することになる。ここではその概要についてのみコメントしておきたい。20年度期中正味財産増加額は△24,000,000であるが、事業支出の中で35,000,000のPR特別支出があり、勘案材料である。

220 221 222 収支計算書での予算と決算対比では、収入が15,000,000の増加、支出が△8,000,000で、23,000,000の経営努力が読み取れる。年間の経営努力が数字に表れたもので、期中経営は堅調であったと言える。次期繰越金は29,000,000となり、期末の正味財産合計額は223,000,000である。以上は一般会計の概要である。

■7月7日には、東京国際フォーラムで正副会+総務会が行われた。①上記のような決算概要とポイントを森友理事長からアナウンスした ②長年の懸案であった、隔年開催の3月代表理事会の総会への格上げを22年度から実施することとした。なお、毎年9月+3月開催の総会は、第1回総会、第2回総会と呼称することとした。終了後の懇親会は9月は行わないこととし、3月のみ実施とした ③小学校教員のそろばん指導力構築のための研修会開催には、各都道府県単位で、特色を生かしながら実施していくことを強く要望することにし、文書の発信を決めた。

■④日本数学協会との連携強化については、7月12日に上野協会会長と森友理事長が懇談して、道筋を整理することとした。いくつかのテーマ設定を行い、共同研究を行うことを検討していく ⑤総務会開催時の交通費などの支払いは現金支払いから振り込み方式に切り替えることとした。3ヵ月毎の前払いとし、2回目の支払い時に必要に応じて調整を行う ⑥第2次有識者懇談会については、7月12日に上野先生と展開のスケジュールを調整することにした。畑村洋太郎先生と小川 束先生を研究のキャップとしての2本柱をイメージしている。

■いま、珠算教育に対する世論の理解が急速に進んでいるが、教育現場での珠算に対する関心も高まっている。この時代の新しい流れが出来つつあるとき、珠算教育+珠算学習についての基礎研究を大いに推し進めておくことが、将来の珠算教育強化の礎になるに違いない。理論武装強化が今こそ急がれると考えている。

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2009年7月 5日 (日)

No.230 外国人講座受講生1級に合格 in Osaka

061 059 069 (社)大阪珠算協会と大阪商工会議所の共催事業である「外国人のための珠算講座」は、1986年6月に開講し丸23年が経過した。協会の先生方の献身的なボランティア指導で年々人気は上昇している。21年度からは大阪府教育委員会の後援事業として認可を受け、新しい第1歩を踏み出した。

064 068 066 7月4日時点で、受講生は世界中の82カ国から940人が参加し受講した。常時35名前後の受講生が在籍し、毎週土曜日の10時から12時までの2時間の講座を受講している。日本語が理解できる人は日本語で、英語しか使えない人には英語での指導を行っている。指導に当たる協会の先生方は珠算の指導経験が長く、高段位の取得者も多い。

■原則ワンツーワンで指導するので、殆どが高学歴の受講者であるから、その進歩は目を見張るものがある。1週間に1度の練習であるが、適度の宿題が出されるので、塾での指導システムと比べても、遜色はない。毎回の授業半ばでセットするブレークタイムでは、たくさんの国から来ている受講生の交歓が行われる。また、終了後のランチタイムも異国間文化交流の貴重な場になっている。

065 057 058 6月28日に第186回珠算能力検定試験(1・2・3級)が日本商工会議所主催で全国一斉に行われた。外国人講座では、ブラジル人のHumbert Baba(フンベルト・ババさん)33歳男性が1級にチャレンジした。日系二世で、母親(日本人)からブラジルでそろばんの手ほどきを受けた。2007.2.10に外国人講座に入門。2年4ヶ月が経過している。

■フンベルトサンの成績は、見取算90/×算95/÷算55で合計240点で1級に合格した。23年間で、1級合格者は二人目である。1人目は台湾からの関西大学大学院研究者陳さんで、20年も前のことである。講座から受験して1級合格を果たして後、アメリカの大学院に入学、博士号をとって帰国。台湾で貿易商を後継している。

■フンベルトさんは、サンパウロ大学で電子工学を学び、2004.5に来日、ソフトウエアエンジニアとして活躍中。映画鑑賞、トレッキングが趣味で近作“おくりびと”に深い感銘を受けた。近畿エリアでは奈良がお気に入りで、緑と静けさ、伝統の味わいが魅力的という。

■同じくブラジル人のMarina Oikawa(マリアナ・オイカワさん)24歳の女性。日系四世で、2007.4に文部科学省の国費留学生として来日した。現在は奈良先端科学技術大学院大学のマスターコース2年生。専攻はコンピュータサイエンスであるが、フィールドは、“計算機視覚と拡張現実感”である。

■マリナさんは3級に初挑戦。結果は、見取算80/×75/÷100で合計255点、見事に合格であった。趣味はそろばん、ギター演奏で、大好きな曲は、“The Scientist”(Coldplay)である。ブラジルのFederal University of Para(パラ大学)卒業である。

■講座には、関西の大学院研究者が多く在籍中であるが、近代科学を追及する彼らが何故日本のそろばん技術の習得にエネルギーを費やすのか、現代社会の不思議の一つである。知的レベルの高い彼らが納得し追求したくなる、something special(何か不思議なもの)がそろばんには内包されているのかもしれない。彼らの手を通じて、世界にそろばんが広がりつつあるのは事実である。

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