No.216 水都大阪の新しい風物詩 大阪川床 along Tosabori river
■ 新しい学習指導要領が告示されて、小学校では平成23年度から全面実施となる。理数教育重視の観点から、そろばんの指導については3年生に加えて4年生でもカリキュラムに加えられ、21年度からの先行実施が決まった。江戸初期からの日本人作りに大きく貢献してきたそろばん教育を、単なる伝統文化としてではなく、子供たちの基礎学力構築になくてはならない学習として評価が高まっている。
■関西が誇る伝統文化の一つに川床がある。川床といえば、京都の鴨川納涼床が有名であり、江戸時代から夏の風物詩として町衆文化の一角を担ってきた。18世紀中頃に来京した本居宣長が京都の残暑を「いとしのぎがたし」と日記に書き残しているように、三方を山に囲まれた盆地の京都の暑さを上手く凌ぐ方法として、川床は自然発生的に庶民に愛されてきた。
■ 今では、2条大橋から5条大橋までの間に、90軒あまりの川床が並んでいる。5月1日から9月30日までの間、鴨川沿いの観光名所となる。
■大阪でも、5月1日から土佐堀川左岸の難波橋を挟んだ東西に3軒の大阪川床が店開きした。7月25日までの期間限定の社会実験第2弾で、「北浜テラス」と銘打つ昨年10月に引き続いてのトライヤルである。各方面の反響を見て、水都大阪の常設イベントにするか否かが決められる。
■ 対岸には中之島中央公会堂や東洋陶磁美術館、中之島図書館などが見え、水都大阪の目抜きの場所である。現在は、十六夜北浜店、てる坊、レストランOUIの3軒の参加であるが、今後参加店舗の数は増えていきそうである。今、アクアライナーが川面を東西に遊覧航行しているが、近々には長堀川を南航して道頓堀につなぐ企画があり、水運を観光資源に生かしていく日が早まる機運を感じた。江戸初期に作られた水運の利を、自然回帰を果たしながらの大阪活性化にリンクさせることは、大阪行政の知恵でもあり責任でもある。
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