No.215『数学文化』011号巻頭言の 論考「珠算教育界の周辺」が『珠算与珠心算』に転載される in China
■ 日本数学協会は研究論文や研究発表を掲載するために研究雑誌『数学文化』(Journal of Mathematical Culture) を発刊している。その第11号が2008年12月に出版された。当該号の巻頭言を森友(日本珠算連盟 理事長)が執筆した。タイトルは「珠算教育界の周辺」とし、約2200字の論考である。
■内容は、まず昨今の珠算界の現状認識を述べ、次に珠算指導の理念を書いた。また、日本数学協会と珠算人との協調のあり方にも触れておいた。まとめとして、珠算教育が今後目指すべき方向性を示しておいた。
■ この『数学文化』第3号(2004年10月発行)では、トピックス「熱い珠算振興活動ー大阪からの報告2例」として、大阪府下における小学校支援珠算指導活動の状況報告と、大阪珠算協会と大阪商工会議所主催の「外国人のための珠算講座」(1986年6月にスタートした、毎週土曜日に開講されている珠算ボランティア講座 大阪商工会議所5階で開催・・10:00~12:00)の経年経過を報告記事として執筆した(87ページ~92ページ)。
■今回の第11号に掲載された巻頭言の内容を大阪珠算協会所属大谷茂義先生(中国珠算教育問題研究会会長)が読まれたことで、中国珠算心算協会の会報研究誌への転載が実現した。2009年1月に刊行された『珠算与珠心算』第40号に、“珠心算教学”「日本珠算教育界的周辺事情」として15~16ページに全文が翻訳されて掲載された。
■ 中国経由で日本に移入された珠算が両国ではそれぞれ独自のスタイルで発展を遂げたが、ともに機械文明が浸透する中で、珠算の有効性や果たしうる役割についての調査研究が急がれていることでは共通している。特に、教育の効率を高めていく中での珠算の効用やメリットに注目していることでも認識は共有されている。初等教育での学力確保に珠算が貢献できると言う仮説を実証するためにも、今後の両国珠算関係者の協調が課題である。今回の拙稿の転載がきっかけを作ることに役立てば幸いである。末尾ではあるが、ご苦労をおかけした大谷茂義先生に感謝したい。
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