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2009年4月25日 (土)

No.213 大阪日日新聞コラム『澪標』に第5回目の記事掲載 in Osaka

Img 大阪日日新聞の読者参加コラム『澪標』第9期執筆陣12名の中に加えられたのが2008.10月であった。その後半年間に5回の執筆を担当した。第1回目は11月4日に掲載された「そろばん指導で教育再生に貢献」であった。第2回目は12月16日に掲載された「世界が共有する計算文化“そろばん”」。第3回目は2009.1月30日に掲載の「学力向上に役立つ学校支援活動」。第4回目は3月13日に掲載の「『尼崎計算教育特区』の効果」。第5回目は4月24日に掲載された「そろばん指導が目指すべきもの」である。

■半年間に前後5回のコラム執筆の機会を与えられたことは、珠算指導が教育界や教育行政においてその評価を高めつつあるこの時期であるが故に、有難いことであった。多くの読者に読まれ、今なぜ珠算教育なのかがある程度理解されたのではないかと考えている。貴重なチャンスを与えていただいた、編集部の方々やきっかけを作っていただいた大山記者に感謝の意を表したい。

■第5回目(最終回)記事「そろばん指導が目指すべきもの」の内容は次の通りである。
最近、そろばん指導の教育効果を評価し、教育の中でそろばん指導を強化すべきとする時代の流れが出来上がった。教育界でも、そろばん学習を通じて基礎学力の構築、子供力の向上を図るべきであると考え始めている。
このそろばん教育再評価の流れは、9年間の学校支援珠算指導活動の全国展開を通じて学校サイドのそろばん理解が進んだことや、平成16年度に始まった「尼崎計算教育特区」によるそろばん指導が順調に展開されたことなどが形作った。10年間の各珠算団体や各地エリアのそろばん教育強化の広報活動も世論のそろばん理解を促進した。加えて、約30年間のゆとり教育が子供たちの基礎学力低下につながり、教育再生の盛り上がりを生み出したことや、基礎計算能力低下に対する親の危機感増幅も追い風となった。
減少してきたそろばん学習者数が平成17年度から増加に転じ、その後年率数%ずつの伸び率を示している。今後、このそろばん再評価の流れを確たるものにするために、機械文明の時代になぜそろばんなのかの明快な説明とそろばん指導理念の確立が求められる。それに応えてそろばん指導者は、次の各項目を実現させることで社会的貢献を果たすことを指導理念としなければならない。

■①コンピュータ多用がもたらす現代社会の弊害を、極めて人間的行為であるそろばんのトレーニングで中和し解消することを目指す。
②技術革新(プロセスカット)の対極にあるそろばんの特性を熟知・再評価し、スローライフ実現のテコとして活用する。
③人間の基礎力である計算力、暗算力、集中力、持続力の確保に、そろばん学習が有効な手段であることを認識し、学力向上につなげる。
④金権・拝金至上主義が蔓延する中で、能力を完全に発揮することで社会貢献出来る人間を育てるために、古来の教育文化である珠算を活用する(寺子屋式塾指導の古典的利点に着目し倫理観の回復も目指す)。
⑤現代社会を生き抜ける人間作りに不可欠な、継続を要するトレーニングとしてそろばん練習を役立てる。
今後のそろばん指導者の課題は、文科省のそろばん理解度向上、学校サイドとの連携強化、そろばんの学術的研究推進などである。具体的には、子供力の向上、基礎力の再構築、規律の確立、耐力・持久力・集中力の強化とともに、暗算力を確保させることである。
中でも、今後のそろばん教育強化を決定付けるものは、そろばん学習が子供たちの脳機能活性化に役立ち、教育的効果をもたらすという研究データをエビデンス(根拠)として広報しながら、そろばん指導を効果的に行うことであろう。これらの研究データは、日本珠算連盟のリーフレット「凄いぞ!そろばん」と冊子「そろばん有識者懇談会研究報告書」の中で報告されている。日本の教育効果向上に役立てば幸いである。(もりとも・けん 大阪市港区)

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