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2009年3月16日 (月)

No.206 大阪日日新聞コラム『澪標』に第4回目記事が掲載される in Osaka

Img_0002 大阪府下の学校支援珠算指導活動はほぼ終わりに近づいた。平成12年度から大阪府下の珠算指導者の協力を得て、小学校3・4年生の算数科で、そろばん指導を行ってきた。学校サイドの反響も大きく、そろばんを使っての計算力強化の有効性が認められてきている。子供たちの反応も良好で、そろばんを使っての計算に大きな興味と関心を持ってくれるようになった。

■9年間の地道な活動が、教育現場でのそろばん評価を高め、子供たちのそろばん好きを増やしてきている。大きな問題として、教育界の課題となった基礎計算力の弱化傾向に歯止めをかけるとともに、そろばん活用をテコに算数好きを増やしながら、基礎学力の向上に役立てていることが徐々に明らかになってきている。

■大阪府教育委員会との意見交換を通じて、次年度からの学校支援珠算指導活動の一層の強化と、現職教員のそろばん指導力確保の方策を模索し、新年度から具体的に府教委と珠算人サイドが協調路線を取れる見通しがついてきた。

185 187 各学校への支援活動の呼びかけを府教委と大阪連合の連名で行うことと、大阪の外国人講座を府教委が後援し、そこに現職教員が参加して研修を行うという新しい道筋を付けることで合意が出来た。新春からの、大阪府下での珠算教育は新しい推進力がつき、ピッチが上がってくることが予想される。

■3月13日発行の大阪日日新聞コラム『澪標』に第4回目の執筆記事が掲載された。以下に、全文を掲載しておく。タイトルは「尼崎計算教育特区」の効果である。

■尼崎市は平成16年1月に構造改革特別区域計画(名称:尼崎計算教育特区)を国に対して認可申請し、3月末当時の総理小泉純一郎名の内閣府特区認定書を受領し、「尼崎計算教育特区」がスタートを切った。
 特区申請の趣意は、「読み、書き、そろばん」と言われる基礎学力向上を図るため、小学校の教育課程に新たに「計算科」を設置し、そろばんによる計算教育を行うことであった。目的はそろばんによる教育を展開し、「計算の基礎的な知識と技能の習得」「日常生活等で計算を活用しようとする態度の育成」等を図る。また、最終的には「暗算を楽しめる児童」「数を見て、判断できる児童」など“日常生活や地域活動、地域社会で「数」を生かせる児童”を目指すことであった。
 平成16年4月から杭瀬小学校でモデル授業が始まった。カリキュラムは2年生が年間10時間、3年生~6年生はそれぞれ年間50時間、合計210時間のそろばん指導である。これらの時間は、生活科、総合的な学習の時間、算数科から配当された。
 2年目以降のそろばん指導導入校は5➠10➠15➠21と拡大し、今春からは市内全43校での導入が決まっている。指導者は尼崎市と周辺市域から熟達したそろばん指導者を非常勤講師として採用し学校に配置している。
 授業を受けている児童の評価は、「珠算が上手くなった」は9割近く、「計算がはやくなった」も8割に上る。保護者の評価でも、「珠算の取り組みはよいことである」が9割以上であることから概ね好評を得ているといえる。同市で16年度から行っている「学力・生活実態調査」では、珠算を導入している児童と、導入していない児童の成績を経年比較すると、点数が上がっており、それは算数だけでなく他の教科でも見られる。さらに、導入している学校とそれ以外の学校の点数を経年比較すると、珠算を導入している学校のほうに点数における上昇が見られた。これらから、珠算の導入は、当初の目的であった計算力を含めた学力向上に関して、ある程度の効果が出たと考えてよい。
 効果の要因としては、そろばん講師と担任が一体となり指導することで、児童の集中力が高まり、学習に対して意欲的になるなど学習態度の向上があげられている。全体的に授業にメリハリがつき規律も出てきた。市教委学校教育課は「授業での集中力も高まり、他の教科の成績も伸びた。成果は予想以上」としている。
 4月から先行実施される新学習指導要領では全国の小学校3年生に加えて4年生でもそろばん指導が行われるが、両学年あわせても数時間程度の指導である。基礎学力向上を最優先事項とする日本の教育が成果を挙げるには、尼崎市の実験例を評価すべきだし、そこには全国規模で取り入れ参考にすべき教訓も多い。(もりとも・けん  大阪市港区)

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