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2009年1月31日 (土)

No.199 大阪日日新聞コラム『澪標』第3回目執筆記事掲載される in Osaka

Img_0001 珠算教育強化を標榜して平成21年の幕が上がった。
昨年3月に新学習指導要領が告示され、3年生に加えて4年生でもそろばんを指導することが決まった。また、理数教育重視の観点から、23年度全面実施の中でそろばんは21年度からの先行実施が6月に告示で示された。

■本年4月から、全国の小学校で3・4年生でのそろばん複数学年指導が始まる。尼崎市の計算特区でも、全市43小学校でそろばんを指導することが決まった。

176_2 大阪府内には1038小学校があるが、今年も百数十校に対してそろばん教師が出講してそろばん指導に当たっている。大阪府内の教育効果を高めるためにそろばん指導が役立つのではという観点から、大阪府教育委員会とも調整しながら学校支援珠算指導活動を強化していくことになる。
具体的にどのような協調が可能なのかは間もなく答えが出てくる。

■今や、珠算教育強化の環境整備はほぼ完了したと言える。これからは、中長期的展望からの新しい施策が求められてくる。
昨年11月から、大阪日日新聞のコラム『澪標』にそろばん教育関連の記事を執筆しているが、1月30日にその第3回目の記事が掲載された。
その内容を以下に記載しておく。
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■タイトル:「学力向上に役立つ学校支援活動」
平成12年度にスタートした大阪府内1038小学校に対する学校支援そろばん指導活動は、今年9年目に入った。全国の主要都市に先駆けて創設された大阪府と大阪市教育委員会学校支援人材バンクシステムに呼応して、大阪府内のそろばん指導支援活動は始まった。
府内の全珠算団体から約120名の指導者が、両教育委員会の人材バンクに登録し、学校からのリクエストに応え出講指導する体制である。初年度は、府内の全小学校長にそろばんのボランティア出講指導を呼びかけた結果、53校から要請を受け活動を成功裏に終えた。その後、支援の依頼校は、64➠86➠107➠111➠124➠139➠156と増え、今年も記録を更新する勢いだ。
毎年1月中旬に出講指導直前の打合せ会を、4月中旬に報告・反省会を開催し、活動に関する情報収集とノウハウの蓄積を行ってきた。その結果、年毎に指導活動の質的向上が計られ、学校サイドの信頼と満足度も高まり、学校経営者(校長・教頭・担任)のそろばん指導に対する理解と協力が増してきた。プロの指導者による指導で、生徒たちのそろばんに対する興味と関心も大きくなり、計算が筆算以外の方法でも行えることを学ぶことが子供たちにとっては大きな発見となる。
そろばんという古来の計算道具と技術を駆使することで、基礎学力の根本である計算力が高まり、集中力や忍耐力を強化し自主性も向上することが明らかになってきた。学外からのゲストティーチャーの指導で、生徒たちの学習に対する意欲と興味が盛り上がる。また、そろばんという具体的な教具を使うことと珠算人の指導テクニックが、学習に対する興味を高めさせ学習効果を上げていくのだと思われる。
このような効果と成果は、提出される指導報告書から読み取れるし、学校サイドのニューズレターや生徒たちからのサンクスレターでも明らかになる。同時に、この活動の長期展開が教育現場で果たしている意義や重要性も理解できる。
昨春告示された新学習指導要領で、3年生に加えて4年生でも算数科でそろばんが指導されることになった。理数教育重視の観点から、指導要領の全面実施を待たずに本年4月からの先行実施も決まった。文部科学省がそろばん指導で得られるものが大きいと判断したからだ。
今後、増加が予想される小学校からのそろばん出講依頼については珠算界あげて対応するが、教師自らそろばんを指導する力量を持つことも大事な課題である。大阪府教育行政でも、この学校支援活動の積極的展開と教師のそろばん指導力確保には、珠算界と連携して成果を上げる工夫をし始めた。そろばん指導が基礎学力向上に有効であり、学習意欲を高めさせることからも、そろばん出講指導活動が学力向上を通じて大阪の教育再生に貢献できるかもしれない。  (もりとも・けん 大阪市港区)

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2009年1月19日 (月)

No.198 外国人のための珠算講座を見学 at O.A.A.

150_2 151 152 153 154 155 1月17日、本年2回目の外国人講座が開かれた。21名の外国人が参加し、11名の指導者が対応に当たった。
当日は、大阪府教育委員会の主任指導主事 松元先生が授業見学に来局された。

■大阪府下の小中学生の学力向上をいかに効果的に実現するかを課題としている大阪府教育委員会では、9年目に入った大阪連合主催の学校支援珠算指導活動に大きな関心を寄せている。そろばん学習を上手く採り入れることで子供たちの基礎学力向上に寄与できるのではないかと考え、このプロジェクト推進に協力できる部分があるのではとの意向を示している。

156 157 158 今後、珠算界が行っている学校支援活動を、大阪府教育委員会がどのように支援協力できるのかを考えるために、16日の事前打ち合わせ会の見学を行ってくれた。
今一つ、小学校の教師がそろばんを指導できるだけのスキルを如何に確保するかが大きな課題である。
教師の個々の都合に合わせてそろばん指導力を付けるための学習を行ってもらうには、外国人講座に参加してもらうことが便利であり、効果的であるという点で、府教委サイドと基本的な意見の一致を見た。

■外国人に混じってそろばんの練習に参加してもらって、指導のノウハウを自分のペースで獲得してもらうことは教師にとってもコンビーニエントなことである。
ただし、一度に沢山の参加者が申し込まれると、講座のキャパを超える事態が予想されるので、場所の問題を含めた懸案事項として今後の調整が必要である。

■学校支援活動の活発化と教師のそろばん指導力確保の問題が二大課題であるために、ここしばらくの協議・調整に関心を払いたい。

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No.197 学校支援珠算指導活動の事前打ち合わせ会開催 at O.C.C.I

138 139 140 141 142 143 147 148 149 1月16日、20年度学校支援珠算指導活動の事前打ち合わせ会が開催された。毎年1月中旬に行われているが、今回は約65名の出講予定者が参加した。山根東大阪珠算協会会長が開会のあいさつ、9回目の活動に当り総合的な状況報告を森友日珠連理事長が行った。冊子「たのしいそろばん」「暗算マニュアル」の使い方と内容の説明は澤田全珠連理事が担当した。司会は岡田全珠学連大阪府支部長が務めた。

■つづいて、情報交換・意見交換の展開は森友が担当した。
今後是正すべき点、疑問に思う部分、全員に伝えておきたい事柄、留意すべき点、印象的であった事、今回は特に力点をおきたい部分、独自の使用教材で効果があった事例、学校経営で感じたところ・・・などについて出来る限り多くの参加者に発言を求めた。

■当日の主な意見を列記しておきたい。
①校長先生とは懇談、意見の交換を行うこと ②出講者に若い指導書の参加を呼びかけるべき ③そろばんの既習者と全く知らない生徒の対応を考えておくこと ④全国連合制作のCDを使えば2年生でも学習が可能だと言う教師の意見があった ⑤障害を持つ児童が進んでそろばん学習に取り組んでくれた事例がある ⑥出講指導の前に担任との十分の打ち合わせが必要 ⑦時間、距離、容量などの単位の計算に有効であることを担任が評価 ⑧そろばんが脳の活性化を通じて学習意欲を向上させることを学校側に伝えておきたい ⑨そろばんの簡単な歴史についても伝えたい ⑩つり銭の計算にそろばんが有効であることと、補数の学習に効果的であることを強調したい ⑪学校内の清掃度が学習効果と微妙にリンクしていることに気づいた ⑫指導時の声の強弱に留意すべきである ⑬クラス間に学習効果の差が出ることが多いことに留意 ⑭指導時間をいかに多く確保するかに工夫がいる ⑮筆算とそろばんの計算方法の違いを説明できるようにしておくこと ⑯欠席者のケアーに留意がいる ⑰始業時間の厳守を求めておくこと ⑱授業の最後5分間をいかに締めくくるかを考慮しておくこと ⑲そろばん熟達者の教師を学校内での指導者として活用できないか ⑳弾き初めの法被を着用して教室に入るが効果がある・・・などの意見が出た。他にも、算数の力の弱い子供を事前に教えてもらっておくことも有効、子供たちが達成感を持ったときの表情が感動的、大きな数の歌を活用している、出講時には名札が必要、タイマーを使って指導時間を自己管理している、事前の完璧な打ち合わせが成否を分ける、指導時に複数クラスを合同して指導時間を増加させることも必要・・・などの提案・意見が出された。

■当日は、大阪府教育委員会の主任指導主事松元先生が見学され、冒頭であいさつ、最後に当活動についての感想を述べられた。
今後の当該事業については、府教委サイドと協調できるところから実践していくことで認識を共有した。

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2009年1月18日 (日)

No.196 東大阪珠算協会平成20年度珠算優良生徒表彰式典開催される in Higashiosaka

Img_0001 1月18日東大阪市民会館で、東大阪珠算協会平成20年度珠算優良生徒表彰式典が開催された。
野田義和東大阪市長が臨席のもと、358名の珠算学習者が各種の表彰を受けた。

Dc011967_3 各種表彰の受領方法が工夫されており、非常にスムーズに式典が運ばれ、爽やかさの中にも厳粛さを感じさせるいい内容の表彰式であった。
特に、ジュニア、キッズ表彰を受けた低学年の子供たちは、ステージの上で決められた様式を守るのに懸命で、ほのぼのとした雰囲気をかもし出していた。
Dc011965

表彰を受けることの大事さ以外に、1人の人間として守らなければならない規律を身に付けてもらうのに、極めて有効な場になったものと思われる。子供たちは、教えられたことを実践することで身に付けていく習性があるので、親はもちろんのことであるが、珠算教師も彼らの人間教育に意を用いるべきであると感じさせられた。

066 当協会には異才を持つ人材が多く、イベントの展開には各種の工夫が加えられていた。組織としてのまとまりと協同して事業を完遂していこうという気概を感じさせる場面が散見された。

161 163 165 市長を初め各地の各種珠算団体関係者が多く参加し式典に花を添えていたのは、当協会経営者のリーダーシップの高さを示すものであった。
表彰を受けた生徒たちを代表して高校生の謝辞が述べられていたが、高校生としての勉学と珠算練習の両立の難しさを述べた後、習得した珠算を生かして社会に役立つ人間に成長したいと今後の抱負を述べていた。
彼は1級満点合格者としての表彰を受けたが、高校1年生にして社会貢献を果たしたいという将来の夢を披瀝できる成長度の高さに感銘を受けた。

Dc0119102 程よい緊張感を持続しながら軽快なテンポで式典の幕が下りる好感度の高い表彰式であった。*写真3枚は平瀬先生の撮影したものです。

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2009年1月14日 (水)

No.195 21年度日珠連予算案・事業計画案審議 in Tokyo

140 137 138 1月13日、東京フォーラムで日本珠算連盟の正副理事長会が開かれ、続いて総務会が開催された。主たる議案は21年度事業計画案と予算案の審議であった。
審議を終えた両議案は、3月の正副理事長会と総務会で最終の調整を行って、同月開催予定の代表理事会で承認を受ける。

■総務会は、常任理事全員も出席して開催されたが、冒頭に次のような概要の年頭所感を話した。
最初に、昨年秋からの金融・経済危機、イスラエルのガザ地区侵攻、20日に迫った黒人初の米国大統領就任、国内では政権選択を意味する解散・総選挙など、世界的規模の不安定要因を抱えた新年の幕開けであるが、思い切った価値観の転換が求められていることにふれた。

■日珠連の経営規範(原理原則)については3つの角度から話をした。
①自己規制・・品位と品格を確保できるように努力をしたい
②活動基準・・会員の利益を優先する+社会貢献の実現を計る
③指導基準・・基礎学力向上+生徒の人間作り+伝統文化伝承+脳機能開発

■平成21年度の年間業績については、珠算の評価が拡大していくと予想しておいた。
理由は、珠算指導が、①基礎学力向上に効果が期待できる ②脳の開発・活性化に有効である ③子供力・人間力確保につながる・・・の3つをあげておいた。

Imgp0508 Imgp0507 Imgp0510 Imgp0511 Imgp0512 Imgp0513 Imgp0514 Imgp0515 Imgp0516 珠算学習の普及・強化は教育再生に好影響を与え、社会貢献の実現に寄与できることを前提にして、今年度は内部蓄積からの先行投資を行い、再生産を可能にすることに軸足を置くことを組織の基本スタンスとして提言した。

■総務会終了後、日商において、宮城常務理事+坪田理事・事務局長+小野・立松両部長+中山専務+森友理事長が年頭の意見交換と懇談を行った。
昨年から、日商幹部との懇談を定期的に実施しているが、このことを通じて相互理解を深め、日珠連と日商の関係強化と連携を深めていくことで意見の一致を見ている。
珠算教育強化と日珠連の組織運営の効率化と業績向上を現実のものにするための新しい経営スタイルとして定着させていくつもりである。

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2009年1月 5日 (月)

No.194 新春そろばん弾初め大会開催される at Tenmangu

087 084 086 1月3日、大阪の天満宮正面入り口境内で、21年新春そろばん弾初め大会が晴天に恵まれ開催された。
10時開催であったが、長い行列が出来たため9時30分スタートとした。約1000人の子供たちが読上算に挑戦、1年の努力を誓った。

Img 参加者には特製のグリーン色法被とそろばんせんべいが天満宮のお守りと共にプレゼントされた。19年度から紺色、えんじ色、今年はグリーンと色を変えて法被を調整・進呈しているが、評判は上々で長蛇の列が出来る。

■この行事は、大阪の3団体所属各地珠算団体で組織する大阪連合が主催しているが、年々友好関係が強化され、連携も密になっていることは珠算教育強化の上からも有難い。
今回は、MBS毎日ラジオが現場から生中継でレポートを流し、朝日新聞も記者が取材したので報道されるかもしれない。

020 021 022035 036 037 038 039 040 041 042 044 045 048   023 024 026 027 028 030 031 032 033 034 外国人講座でそろばんを学習中の14名(アメリカ・インドネシア・ペルー・チリ・ブラジル・中国・エジプト)も参加した。ヒンズー教徒、イスラム教徒、キリスト教徒もいたが、日本神道に触れることで日本文化の理解も進んだことと思われる。
Img_0002 外国人と指導スタッフでランチを共にしたが、「関西華文時報」の特派記者 渡辺博司さんも同席し、珠算全般についての取材を受けた。同紙は関西在住の中国人並びに留学生向けの情報誌であるから、日本文化そろばんの情報発信として記事が記載されることになりそうである。

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2009年1月 4日 (日)

No.193 北大阪珠算協会生徒表彰式典開催される In Takatuki

090 094 096 109 112 114 118 126 129 1月4日、高槻市の高槻現代劇場中ホールで、第37回北大阪珠算協会優良生徒表彰式典が開催された。午後1時から、来賓として石井副市長、岡本市議会議長、一瀬教育長、灰垣市議、谷知高槻商工会議所専務理事、森友日本珠算連盟理事長他16名の各種珠算団体の代表者が参列した。

20091_2 高槻現代劇場は高槻城址のリア内にある。高槻城は織田信長にも関係があり、キリシタン城主高山右近が治めた時期もあった。後1649年からは永井氏の居城として13代まで続き、明治7年に廃城となった。JR線が敷設されたときには、木材や石材が線路などに敷きこめられた。城域は南北630メートル、東西600メートルあり京都と大阪の中間点の要衝として重要視されてきた。同劇場わきの野見神社はもとから高槻城内にあった1000年の歴史を持つ神社である。

130 131 132 133 134 135 近代設備の整った会場で、218名の生徒たちが各種の表彰を受けた。ジュニア部門では小学校低学年生が表彰を受けたが、中には“ありがとうございます”と言える子供が何人かいた。きっと親がそのように受領の要領を教えたものと思われるが、素直にそのように反応した子供の態度が周りの大人たちに爽やかさを与えていた。躾と教育は家庭でも行えることを教える場面であった。

Img 第2部の招待演技では、大阪府立芥川高等学校和太鼓部が演奏を行った。約30分間の演奏は、いろんなことを聴衆に考えさせるものであった。真面目さ、懸命さ、ひたむきさ、力強さがダイレクトに伝わってきたし、高校の部活動でここまで和楽器の技量が磨かれうると言うことを証明して見せた。この和楽器を駆使した力感溢れるライブ演奏は、いまどきの若者が持つ隠れたエネルギーと、やれば何事もなしうると言うことを文句なく理解させるものであった。また、一生懸命さが如何に美しいものであるかを分からせるものでもあった。若者の一途な情熱に文句のない喝采を送った。

若い人たちのエネルギーがホールに充満した、爽快感と希望の持てるいい式典であった。

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