No.192 大阪府下の教育とそろばん指導の接点を探る懇談会 at Bentencho
■ 12月22日、大阪府教育委員会事務局の市町村教育室 小中学校課 教務グループ 主任指導主事・主査 松元利男先生と懇談する機会を得た。
珠算界からは、森友 建(日本珠算連盟 理事長)+田中賢一(大阪珠算協会監事+西井昭生(大阪珠算協会事務局長)が出席した。
■懇談のテーマは、平成12年度にスタートした学校支援珠算指導活動の状況説明と小学校教員の珠算指導力確保と向上策であった。
小学校への出講指導については、
初年度から、53➠64➠86➠107➠111➠124➠139➠156と依頼校の数を増やし、20年度はたぶん記録を塗り替える勢いである。
■年毎に学校サイドのそろばん指導に対する理解が進み、校長・教頭・担任の先生方の協力度も高くなってきた。子供たちにとっては、外部のそろばん指導者による本格的な指導法での授業は面白く、分かりやすいということで好評である。今までの筆算による計算が唯一の計算手段と思ってきた彼らにとっては、数の表現が具体的で立体的に珠の操作を行うことで計算が処理されるということは驚きであり、大きな発見でもある。
■ そろばんでは数をかなり具体的に理解でき、計算の過程も目に見えることから、計算の誤りを見つけやすいという利点がある。数の量的な認識も容易であり、計算過程と計算の結果をアナログ的にボリュームとして認識できる利点もある。また、そろばんの練習の結果体得する暗算力は基礎計算力の大きな支えともなり、子供たちの基礎学力の大事な部分をカバーする可能性がある。
■基礎学力の再構築が急務となっている教育行政でも、そろばん指導の多くの利点を精査して、子供たちの基礎基本を強固なものにするためのテコに使うことを考えてみてもらいたい。
■ 21年度からは、3年生に加えて4年生でもそろばんが指導されるが、現状では教師のそろばん指導力に大きな不安がある。
速やかに教師が自力でそろばんを効果的に指導できる能力を確保する手立てを考えなければならない。
■懇談では、(社)大阪珠算協会+大阪商工会議所共催の『外国人のための珠算講座』への教師の参加を提案した。プロのそろばん教師がワンツーワンで外国人を指導するシステムに先生方が参加して、外国人と肩を並べてそろばんを学習することで、刺激的な学習環境が出来上がる。
各人のスケジュールに合わせて、望む期間だけ参加し一定の実力を確保することは容易なことである。
■ 松元先生は大学で法律を学び、商社に勤め1年間の厳しい研修を受けたのち、退社し教員免許の取得に向けて猛勉強をされた後教職に移られた。学生時代から武道を鍛錬(立命館大学不動禅少林寺拳法部第11代主将・第5代目OB会長)され、教職に就かれてからはバスケットに情熱を注がれてきた。日本公認審判員であり、現在はミニバスケットの普及と発展にも余暇の時間をつぎ込んでいる。
■波乱にとんだ半生を送られた先生のキャリアは、教育に携わるものにとってはクオリティの高いアドバンテージとなっている。教育の基礎作りが如何に大切か、教師の資質と指導者としての哲学が子供たちにどのように影響するのか、教育に当たり原理原則が確立しているか否かが教育効果の大小に直結することなどを熱く語る文字通りの熱血漢である。
■難しい問題に直面している大阪府教育委員会の幹部に松元先生がおられ、全知を傾けて教育再生に取り組んでおられることは、教育にかかわるものにとって知りえた大きな収穫であり、勇気を与えられる出会いであった。
今後は、珠算界に何が出来るのか、サポートのあり方を真剣に探りたい。
■松元先生には、1月16日は学校支援活動打ち合わせ会、1月17日には外国人講座を視察していただき、今後の活動方向を定める情報を収集していただくことにした。
*写真はブルガリアに帰国したテオドラ博士撮影のソフィアの風景です。
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