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2008年12月16日 (火)

N0.191 大阪日日新聞コラム『澪標』第2回目執筆記事掲載される in Osaka

Img 12月16日(火)、大阪日日新聞のコラム『澪標』(みおつくし)に、第2回目の執筆原稿「世界が共有する計算文化“そろばん”」が掲載された。
ここ数年、教育行政サイドの珠算評価は急速に高まってきている。
珠算の学習が、子供たちの基礎学力構築に効果があり、子供力・人間力獲得に有効であると認めているからであろう。

■世論においても、珠算の教育効果が大きく、かつ重要であることを強く認識し始めてきた。
これらの現象は、近年の脳科学の研究・実験で、珠算学習が脳の司令塔である前頭前野を活性化させることが明らかになり、そのことが子供たちの情緒を安定させ、思考力・創造力・記憶力・学習意欲を向上させ、究極には、子供たちの生きる力を大きくすることが判明してきたことに起因している。

Img_2 21年度から3年生と4年生でそろばんが指導されることが決まり、今や、珠算教育強化の環境整備は完了したといえる。今後は、今の科学技術中心の世界で、なぜ珠算学習とそこから得られるものが役立つのかについて、資料とデータをそろえて説明を行い、世論の理解を増進させることにエネルギーを注がねばならない。
第2回目のコラム執筆原稿の内容を以下に掲載しておく。

■タイトル➠「世界が共有する計算文化“そろばん”」
日本珠算連盟 理事長 森友 建

Img_3 1986年6月、現代の科学万能の時代に長い歴史を持つそろばんの価値が評価されるか否かを、諸外国の知識人に問う目的でスタートした(社)大阪珠算協会と大阪商工会議所主催の『外国人のための珠算講座』(毎週土曜日に2時間のワンツーワン指導)も丸22年が経過した。
この間、80カ国から922名の外国人がそろばんを学び、高い水準の技術を身につけてくれた。

講座の展開から、機械・科学中心の現代社会でもそろばん価値と社会的貢献度は高いと実感できた。コンピュータの発達と普及という側面とそろばんの活用はむしろ共生していくものであることも学んだ。コンピュータの使用からはいろいろの弊害・問題点が生じてくる。反面、そろばんは人間の基本的能力を磨き上げて身に付けていく技術であり、トレーニングそのものと、その過程で得られる忍耐力・集中力などは正に教育の基礎・基本をなすものであって、機械化による弊害を薄め、消去する働きをすることも理解できてきた。

071 日本文化“そろばん”を違った文化を持つ外国の人たちに指導することで、真の国際交流・国際親善を実践していることを実感する。同時に珠算指導者の国際感覚も高められている筈だ。

現代のコンピュータ化の中でのそろばん教育の意義を世論に説き理解してもらうことは大事な作業である。これらを珠算人の手で積極的に行うべきことは当然のことである。同時に、今まで多くのマスメディアが本講座を積極的に報道しているが、考察の客観性と社会への浸透度から、そろばんの国際化を進める上で協力な推進力となっている。

070 本講座で学ぶ外国人の目には、そろばんは日本だけのものではなく、広く世界に通用する計算技術であり、コンピュータ時代においても価値の大きい計算文化と映っているようだ。彼らはそろばん学習で得られるものとして暗算力・集中力・チャレンジをあげている。練習に参加する大学や大学院の研究者は、日常的にコンピュータを使うことからある種の不安と懸念を抱いているが、人間力を使って計算を進めるそろばん技術を自然に近い人間性豊かなテクニックとし、人間としてのバランスを保つ手立てになると考えている。彼らは、機械文明の中で利便性と引き換えになくしつつある大事なものを埋め合わせるのに、そろばん技術の習得が役立つと思っているように感じる。

066 今では、欧米やアジアのいくつかの国々では、そろばん指導は教育の基礎・基本の部分を形作る有効な方法だとして、その役割を高く評価し算数科で積極的に指導するところが増えている。

講座を通じて、そろばんが世界性、現代性、普遍性を持つことを知った。そろばんが移入されて500年の間、凝縮された計算テクニックのエキスが教育の根幹を作ったことを思い出し、日本の教育再生を実現するための基礎学力構築にそろばん学習を生かすべきと考えている。

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