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2008年12月23日 (火)

No.192 大阪府下の教育とそろばん指導の接点を探る懇談会 at Bentencho

Img_0001 12月22日、大阪府教育委員会事務局の市町村教育室 小中学校課 教務グループ 主任指導主事・主査 松元利男先生と懇談する機会を得た。
珠算界からは、森友 建(日本珠算連盟 理事長)+田中賢一(大阪珠算協会監事+西井昭生(大阪珠算協会事務局長)が出席した。

■懇談のテーマは、平成12年度にスタートした学校支援珠算指導活動の状況説明と小学校教員の珠算指導力確保と向上策であった。
小学校への出講指導については、

初年度から、53➠64➠86➠107➠111➠124➠139➠156と依頼校の数を増やし、20年度はたぶん記録を塗り替える勢いである。

■年毎に学校サイドのそろばん指導に対する理解が進み、校長・教頭・担任の先生方の協力度も高くなってきた。子供たちにとっては、外部のそろばん指導者による本格的な指導法での授業は面白く、分かりやすいということで好評である。今までの筆算による計算が唯一の計算手段と思ってきた彼らにとっては、数の表現が具体的で立体的に珠の操作を行うことで計算が処理されるということは驚きであり、大きな発見でもある。

Img そろばんでは数をかなり具体的に理解でき、計算の過程も目に見えることから、計算の誤りを見つけやすいという利点がある。数の量的な認識も容易であり、計算過程と計算の結果をアナログ的にボリュームとして認識できる利点もある。また、そろばんの練習の結果体得する暗算力は基礎計算力の大きな支えともなり、子供たちの基礎学力の大事な部分をカバーする可能性がある。

■基礎学力の再構築が急務となっている教育行政でも、そろばん指導の多くの利点を精査して、子供たちの基礎基本を強固なものにするためのテコに使うことを考えてみてもらいたい。

Photo 21年度からは、3年生に加えて4年生でもそろばんが指導されるが、現状では教師のそろばん指導力に大きな不安がある。
速やかに教師が自力でそろばんを効果的に指導できる能力を確保する手立てを考えなければならない。

■懇談では、(社)大阪珠算協会+大阪商工会議所共催の『外国人のための珠算講座』への教師の参加を提案した。プロのそろばん教師がワンツーワンで外国人を指導するシステムに先生方が参加して、外国人と肩を並べてそろばんを学習することで、刺激的な学習環境が出来上がる。
各人のスケジュールに合わせて、望む期間だけ参加し一定の実力を確保することは容易なことである。

077 松元先生は大学で法律を学び、商社に勤め1年間の厳しい研修を受けたのち、退社し教員免許の取得に向けて猛勉強をされた後教職に移られた。学生時代から武道を鍛錬(立命館大学不動禅少林寺拳法部第11代主将・第5代目OB会長)され、教職に就かれてからはバスケットに情熱を注がれてきた。日本公認審判員であり、現在はミニバスケットの普及と発展にも余暇の時間をつぎ込んでいる。

■波乱にとんだ半生を送られた先生のキャリアは、教育に携わるものにとってはクオリティの高いアドバンテージとなっている。教育の基礎作りが如何に大切か、教師の資質と指導者としての哲学が子供たちにどのように影響するのか、教育に当たり原理原則が確立しているか否かが教育効果の大小に直結することなどを熱く語る文字通りの熱血漢である。

■難しい問題に直面している大阪府教育委員会の幹部に松元先生がおられ、全知を傾けて教育再生に取り組んでおられることは、教育にかかわるものにとって知りえた大きな収穫であり、勇気を与えられる出会いであった。
今後は、珠算界に何が出来るのか、サポートのあり方を真剣に探りたい。

■松元先生には、1月16日は学校支援活動打ち合わせ会、1月17日には外国人講座を視察していただき、今後の活動方向を定める情報を収集していただくことにした。
*写真はブルガリアに帰国したテオドラ博士撮影のソフィアの風景です。

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2008年12月16日 (火)

N0.191 大阪日日新聞コラム『澪標』第2回目執筆記事掲載される in Osaka

Img 12月16日(火)、大阪日日新聞のコラム『澪標』(みおつくし)に、第2回目の執筆原稿「世界が共有する計算文化“そろばん”」が掲載された。
ここ数年、教育行政サイドの珠算評価は急速に高まってきている。
珠算の学習が、子供たちの基礎学力構築に効果があり、子供力・人間力獲得に有効であると認めているからであろう。

■世論においても、珠算の教育効果が大きく、かつ重要であることを強く認識し始めてきた。
これらの現象は、近年の脳科学の研究・実験で、珠算学習が脳の司令塔である前頭前野を活性化させることが明らかになり、そのことが子供たちの情緒を安定させ、思考力・創造力・記憶力・学習意欲を向上させ、究極には、子供たちの生きる力を大きくすることが判明してきたことに起因している。

Img_2 21年度から3年生と4年生でそろばんが指導されることが決まり、今や、珠算教育強化の環境整備は完了したといえる。今後は、今の科学技術中心の世界で、なぜ珠算学習とそこから得られるものが役立つのかについて、資料とデータをそろえて説明を行い、世論の理解を増進させることにエネルギーを注がねばならない。
第2回目のコラム執筆原稿の内容を以下に掲載しておく。

■タイトル➠「世界が共有する計算文化“そろばん”」
日本珠算連盟 理事長 森友 建

Img_3 1986年6月、現代の科学万能の時代に長い歴史を持つそろばんの価値が評価されるか否かを、諸外国の知識人に問う目的でスタートした(社)大阪珠算協会と大阪商工会議所主催の『外国人のための珠算講座』(毎週土曜日に2時間のワンツーワン指導)も丸22年が経過した。
この間、80カ国から922名の外国人がそろばんを学び、高い水準の技術を身につけてくれた。

講座の展開から、機械・科学中心の現代社会でもそろばん価値と社会的貢献度は高いと実感できた。コンピュータの発達と普及という側面とそろばんの活用はむしろ共生していくものであることも学んだ。コンピュータの使用からはいろいろの弊害・問題点が生じてくる。反面、そろばんは人間の基本的能力を磨き上げて身に付けていく技術であり、トレーニングそのものと、その過程で得られる忍耐力・集中力などは正に教育の基礎・基本をなすものであって、機械化による弊害を薄め、消去する働きをすることも理解できてきた。

071 日本文化“そろばん”を違った文化を持つ外国の人たちに指導することで、真の国際交流・国際親善を実践していることを実感する。同時に珠算指導者の国際感覚も高められている筈だ。

現代のコンピュータ化の中でのそろばん教育の意義を世論に説き理解してもらうことは大事な作業である。これらを珠算人の手で積極的に行うべきことは当然のことである。同時に、今まで多くのマスメディアが本講座を積極的に報道しているが、考察の客観性と社会への浸透度から、そろばんの国際化を進める上で協力な推進力となっている。

070 本講座で学ぶ外国人の目には、そろばんは日本だけのものではなく、広く世界に通用する計算技術であり、コンピュータ時代においても価値の大きい計算文化と映っているようだ。彼らはそろばん学習で得られるものとして暗算力・集中力・チャレンジをあげている。練習に参加する大学や大学院の研究者は、日常的にコンピュータを使うことからある種の不安と懸念を抱いているが、人間力を使って計算を進めるそろばん技術を自然に近い人間性豊かなテクニックとし、人間としてのバランスを保つ手立てになると考えている。彼らは、機械文明の中で利便性と引き換えになくしつつある大事なものを埋め合わせるのに、そろばん技術の習得が役立つと思っているように感じる。

066 今では、欧米やアジアのいくつかの国々では、そろばん指導は教育の基礎・基本の部分を形作る有効な方法だとして、その役割を高く評価し算数科で積極的に指導するところが増えている。

講座を通じて、そろばんが世界性、現代性、普遍性を持つことを知った。そろばんが移入されて500年の間、凝縮された計算テクニックのエキスが教育の根幹を作ったことを思い出し、日本の教育再生を実現するための基礎学力構築にそろばん学習を生かすべきと考えている。

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2008年12月 8日 (月)

No.190 守口門真珠算協会創立45周年記念祝賀会 at Moriguchi

Img 12月7日、守口ロイヤルパインズホテルで、守口門真珠算協会創立45周年記念祝賀会が開催された。それに先立ち守口門真商工会館で第37回守口門真珠算選手権大会も開催された。

■祝賀会には、来賓10名、商工会議所からは専務理事以下6名、同協会会員18名が参加した。山田俊彦名誉会長(守口門真商工会議所専務理事)が開会の挨拶をし、来賓を代表して森友 建(日本珠算連盟理事長)が祝辞を述べた。

■全珠連大阪府支部 桜井行雄支部長の発声で乾杯、続いて祝宴に入った。その後、会員の小比賀 泉先生の日本舞踊があり、東大阪珠算協会山根正司会長発声の万歳三唱に続いて、大西信二会長から締めくくりの閉会挨拶が行われた。

Img_0001 冒頭の来賓を代表しての祝辞では、次のような新しい情報を織り込んだ。一つは、11月17日に文部科学省を表敬訪問し、塩谷文部科学大臣と他団体代表者とともに面談したが、その折に大臣からいくつかの発言があり、それらの概要をアナウンスした。
① 小学校1年生にもそろばんを玩具のような形で持たせばいいのではないか。
② 小学生の基礎計算能力が低下していることは憂慮すべきことで、そろばんで梃子入れが出来ないだろうか。
③ 日本は理数教育を目指しているが、計算能力の底上げを早急に図らなければならない。
④ 小学校教員のそろばん指導力を確保しなければならない。
⑤ 学校支援珠算指導活動を一層強力に展開してもらいたい。

073 074 082 以上のような内容の発言が大臣からあったが、このことは教育行政のなかで珠算の評価が急速に高まってきていることを立証するものである。珠算指導が子供たちの基礎学力向上に効果があり、子供力・人間力の獲得に有効であることが理解されてきたことの証左でもある。

Img_0002_2 また、11月29日に、MBS毎日ラジオの収録を行ったが、対談相手の大月アナからそろばんの魅力とそろばんの力について質問が出た。
① そろばんの魅力は・・・そろばん練習は頭脳の活性化をもたらし、このことが子供たちの情緒を安定させ、自主性を高め、学習意欲を向上させる。即ち、子供たちが自分自身を自分でコントロールできるようになることがそろばんの最大の魅力である。
② そろばんの力・・・そろばん学習は子供たちの人間としての基盤・骨格・根本を形作るが、それがそろばんの力である。

075 076 078 二つの質問には以上のような回答を示しておいた。
紹介したような事例は、今、珠算教育再評価の機運が高まっていることを示すものであり、今こそ、何としても珠算人の力を結集しなければならない。
大きな集会ではなかったが、珠算に対する情熱をしっかりと持つ人たちの集まりであったので、祝辞の内容には共感を得られたのではと期待している。

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2008年12月 2日 (火)

No.189 大阪商工信用金庫からそろばん52丁の寄贈を受ける at Matuyamachi

Img 12月2日、大阪商工信用金庫本店を訪問し、理事長の片桐 陽氏と面談、職員から集めていただいたそろばん52丁の寄贈を目録でいただいた。
先日来、同金庫CSR推進室主任 林 由以子氏のお骨折りで、15の本支店で使われなくなっていたそろばんを集めていただき、(社)大阪珠算協会に寄贈していただくことになった。

■当初は、同協会と大阪商工会議所の共催事業である「外国人のための珠算講座」での活用を考えていただき、講座にも見学に来ていただいた。
折角集めていただいた貴重なそろばんをもっとも有効に活用させていただくために、講座での使用でなく、今年から始まったモンゴルでのそろばん教育で役立てていただくことを考え、ウランバートルでそろばん指導を始められている山田教授(モンゴル文化教育大学)に相談し、現地の小学校や中学校・大学でのそろばんクラスで活用してもらうことに決めた。

041 043 043_2 044 045 046 近々にそろばん現物の送付を受けて、モンゴルに転送して、年明けから現地のそろばん学習者に使ってもらうことになる。4月から始まった現地でのそろばん指導は、9月からは指導校が増え、順調に学習者の数を増加させている。日本文化に順応性を示す国民性から、そろばん学習の普及は急速に広まる気配である。

■理事長との面談に先立ち、同金庫理事 山本高久氏とも面談した。同氏はCSR推進室長で林 主任の上司に当たる。地域金融機関の社会的責任を果たすためにはCSR(社会貢献活動)が最も重要な事業であるという観点から、3年前から「大阪商工信金社会福祉賞」を授与している。
地元で社会貢献活動に励むグループを表彰することで、CSRの実をあげようという企画である。山本氏はこの企画責任者であり、同時にOsaka Shoko Shinkin Bank Report 2008(大阪商工信用金庫 ディスクロージャー)の発行作業も統括されている。

■引き続いて理事長と懇談したが、山本室長、林主任も同席した。
片桐理事長は3年間専務理事を務められ、理事長に就任10年目でほぼ理想的な形での信用金庫経営の基盤を固められた。その間、企業利益追求をメインテーマにせず、信用金庫の究極の目的である地元中小企業家の繁栄を実現させることに軸足を置いた経営方針を前面に出し、なおかつ金庫職員の生活安定と職務に対する満足感を体感できるシステム作りに努力を傾注されてきた。

■ミッション+パッション+アクションを標榜して、地道・堅実・安定を合言葉に独自の経営理念を掲げて、職員・取引先の安定した生活と繁栄を確かなものにしていこうという確たる信念が、今日の優良企業体としての信用金庫を育てたのであろう。メジャーな金融機関にはない something great なものが感じられる理事長との懇談であった。

■ウェッブサイトで外国人講座の展開を検索いただいた後、講座の見学、そろばんの本支店からの収集、信金片桐理事長・山本室長との懇談と、スケジューリングに特段の配慮をいただいたCSR推進室主任 林氏に敬意を表し感謝したい。

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