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2008年11月 8日 (土)

No.182 大阪教育大学菅原邦雄教授と懇談 at Honmachi

142 143 145 11月8日1時から日本珠算連盟珠算強化・連合委員会が開催された。当委員会は開催のつど有識者を招いて、珠算教育強化に役立つ情報の収集を行っている。また、珠算指導のあり方を外部の識者に問い、時流にそったアレンジをかけるべく意見の交換を行っている。

■今回は、大阪教育大学の数学科菅原邦雄教授をお招きして講義ののち懇談を行った。先生の専門は微分幾何学で、情報解析や幾何学特論などの講座を担当しておられる。日本数学協会の幹部でもあり、江戸時代の和算の研究も進めておられる。古そろばんや数学に関する江戸期の古書籍の収集も行っておられ、必然的に珠算への興味と関心もお持ちである。

141 144 146 先生の講話からいくつかの興味深い部分を紹介しておきたい。
①吉田光由は数学の入門書である「塵劫記」を1627年に著したが、数学を進める上で割り算が必要であるということからそろばんを取り入れたと思われる。したがって、そろばんの本来の目的は数学を行うためであった。
②今は、そろばんを使用する目的は、計算を早く正しく行うことに変わってしまっているが、本来のそろばんの目的からはずれが生じているのではないか。

■③和算に興味を持ち研究を進めるうちに、江戸時代のすごさが見えてきた。特に数学に関する出版文化が華やかであり、実生活には特段役立たないことを長期にわたり学んでいたことが分かる。このことが明治に変わり洋算に切り替わるときに極めてスムーズに作業が進んだ理由ではないか。庶民たちの数学に対する取り組みの深さは、江戸人の好奇心が旺盛であったからであろう。庶民が何の見返りも期待せずに数学書を愛読していたことの意義は特筆に値する。

■④家康の時代に金属活字から木製活字に変わり、そのあと版木に変わっていき大量に書籍が出版されるようになった。また、享保(1716)の時代からは書籍の巻末に出版元、出版日を記載することになった。

■10年前に出会った「算学稽古大全」がきっかけで、和算とそろばんに興味を持つようになった・・とのことであるが、和算の記述の研究と和算書の収集を通じて、和算の文化的側面に注目されて、いよいよ研究は深まっていきそうである。和算書を研究することで、江戸時代の人たちが数学を真剣に勉強していたことが分かるし、そのことが日本の明治以降の発展に大きく寄与したことは記憶にとどめておかなければならない。
江戸期の日本人の資質が世界のなかでも群を抜くものであったことは子供たちにも伝えておかねばならない。

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