No.173 外国人講座の卒業生 in Osaka
■ 9月27日(土)、(社)大阪珠算協会と大阪商工会議所が主催する「外国人のための珠算講座」の受講生二人が卒業していった。一人はブルガリアからの文部科学省国費留学研究者テオドラ・ゴラノバさん(女性)である。彼女はブルガリアの首都ソフィアにあるソフィア大学で2004年に修士課程を終えて、国内の選抜試験を突破し研究者として2004年10月に来日。大阪外国語大学(現大阪大学)で6ヶ月の日本語研修を受け、その後6ヶ月の研究科在籍の後、2005年から奈良先端科学技術大学院大学で研究生活に入った。
■研究テーマは大腸がんの発生メカニズムにおける遺伝子の役割であり、今後の同がん患者の治療や予防に大きくかかわる興味深く重要度の高い内容の研究であった。3年間の研究を終えて、9月30日にめでたく博士号を取得して、10月2日に帰国の途につく。
■ 博士号はバイオロジーサイエンス(生物化学)で取得するが、所属していた研究室からは日本での研究続行を強く要望されていたが、ブルガリアに残してきた祖母のことが心配で帰国を決断した。日本で取得したPhDを生かした研究活動が継続できる職場が早く見つかることを願っている。
■2年間近く外国人講座に在籍し、研究活動とそろばんの練習を両立させて準3級に合格した。ソフィアで日本のそろばんを子供たちに指導する夢を持っており、2年前に帰国したスタニスラバさん(同国の女性国費留学生・・講座で3級まで習得)と共同してのそろばん指導が楽しみである。
■ 彼女の母国でのそろばん指導を側面からサポートするために、彼女の親友であるShibaさんも講座でそろばんを学習していたが、過日の検定試験で4級に合格した。彼も10月2日に日本を離れ英国のケンブリッジ大学の大学院に留学し、4年間でニューロサイエンス(脳神経科学)を研究して博士号の取得を図る。京都府立大学からカナダのランガラ大学に留学し、帰国後大阪大学に編入・卒業し今回の英国留学につなげた学徒である。
■ 生物化学者と脳神経科学者がパートナーを組み、日本で習得したそろばん技術とどのようなつながりを紡いでいくのか興味深い。彼女と彼の大きな成功を祈りたい。
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