No.168 日本数学協会vs日珠連懇談会 at the Univ. of Tokyo
■ 8月24日東京大学数理科学研究科で、日本数学協会幹部と日本珠算連盟代表者との懇談会が開催された。
23日~24日に、日本数学協会の第6回年次大会、ヤングセッション、懸賞問題表彰、実習講習会ならびに臨時総会が開かれた後、4時から6時まで懇談を行った。
■日本珠算連盟からは、森友理事長・鈴木副理事長・藤井編集委員長・草柳珠算強化連合委員会委員長・堀野連合専門委員会委員・飯沼アバカス倶楽部メンバー・中山専務理事が出席した。
日本数学協会からは、上野会長(京都大学大学院教授)・岡部副会長(埼玉大学教授)・岡本副会長(東京大学教授)・小川幹事(四日市大学教授)・菅原幹事(大阪教育大学教授)・有田幹事(小学校教諭)が参加した。
■ 日本数学協会(会員数900名)は、数学を学ぶ楽しさ、珠算や和算といった伝統数学の研究・普及、さらに数学の活用に関する研究や数学に関連する諸学問分野の進展に積極的に寄与しながら、日本の数学文化の向上に努めることを目的として、平成14年12月に設立された研究組織である。
■上記設立の目的のうち、珠算・和算の研究については、日本商工会議所と日本珠算連盟がその対応に当たることを前提にして協会運営が行われてきた。設立以来6回の年次大会、7回の総会、3回の臨時総会、24回の幹事会が開催され、論集『数学文化』(第10巻まで発行)の刊行、講演会・研究発表、座談会、ワークショップ、ヤングセッシヨン、講習会などを開催運営してきた。
■ 設立7年度目を迎えて、協会組織の片翼を担う日本珠算連盟が行いうる協力・参画の内容の再点検を行い、日珠連と日数協の両組織の役割分担をより明確にすることを目的に今回の懇談が行われた。
■今までに明らかになってきた問題点と課題は、一つは珠算人サイドからの研究発表が少ないことである。次いで、日本商工会議所主催の「計算力・思考力検定」受験者数の増加対策である。
一つ目の問題については、まず『数学文化』への寄稿を増やすことであり、次には各種研究発表の場での発表数を増加させることである。
■『数学文化』への寄稿を増やし、各種発表の場での研究発表を増やすために、具体的な研究課題を明らかにして珠算人に示すことと、今までに各種の研究活動を行ってきている珠算人のリストを作り、上記のタイトルでの寄稿あるいは発表についての個別マッチングを行い、個々にダイレクトに依頼することを優先させて実施していくことにしたい。
■研究課題については、珠算の歴史、中国での速算法、中国での珠算教育の現状、そろばんの材質や形状、帰除法、速算法、省略算、誤算発見法、上二珠そろばんの使用法、算数教科書でのそろばんの面白い活用法などなどである。
■数学で求める答えは決して一つではないということ、また計算する過程を如何に大事にするのかということなどを念頭において、珠算指導を数学学習時の柔軟性確保に活用できれば更なる珠算評価につながるかもしれない。
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