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2008年8月 7日 (木)

No.165 『脳教育2.0』~子どもに最も必要な能力HQ~7月に発刊 in Japan

Photo 『脳教育2.0』~子どもに最も必要な能力HQ~(講談社)が7月に発刊された。著者は澤口俊之理学博士(人間性脳科学研究所所長・北大理学部卒・京大動物学専攻博士課程修了・エール大医学部神経生物学科リサーチフェロー・京大霊長類研究所助手・北大大学院医学研究科教授を経て現職。

■『わがままな脳』、『あぶない脳』、『幼児教育と脳』『モテたい脳・モテない脳』、『幸せになる成功知能HQ』などの著作がある。本著では、8歳までが勝負!!読み・書き・算盤+音楽で子どもの脳は劇的に変わる!と帯に書かれている。

■就学前のひと工夫で子どもの脳をヴァージョン・アップというタイトルで、子どもたちが社会的成功をおさめ、幸せな人生を送るために何が最も必要なのか?そのカギは幼少期におけるほんのひと工夫、そして「脳のオペレーティング・システム」HQ(humanity quotient:人間性知能) に隠されていた!・・・・と書いている。

■本書の118ページには次のような興味深い記述がある。“幼児期に「基本科目を」教えるべきである。基本科目とは、寺子屋と同様に、「読み書き算盤」である。加えて音楽があればもっといい。これで多重知能のほとんどを幼児期から育成できる。音楽はとくに重要で、歌うことに加えて楽器演奏が適当である。
算盤も適当である。計算では数字などの記号を使うこともよいが、算盤が適当なのは、「手を細かく使う」という要素が入るせいだ。これによって身体運動的知能を伸ばすことができる。また、算盤で暗算をすることによって、計算能力のみならず、イメージ力(絵画的知能の重要な要素)も育成できる。ー周知のように、算盤での暗算は珠の動きをイメージしながら行う。算盤は、電卓やコンピュータの普及により「過去の遺物」と思われがちだが、算盤には「計算する」ということを超えた大きな意味があることは間違いない。

■したがって、読み書き算盤+音楽ー最低限これだけの「基本科目」は保育園や幼稚園で教育すべきである。・・・・さらに、読み書き算盤はHQの中心的機能である「ワーキングメモリ」を伸ばすうえでも有効であることや、音楽がHQ向上にかなり効果的なことが私たちの研究でわかってきている。こうした点からみても、読み書き算盤+音楽は幼児教育の基本科目として妥当である。”

■今までの、なぜそろばん教育が子どもたちの脳機能を高めるのかという説明とはいささか違った形で、そのメカニズムを解明していることが新鮮であり、いま少し突っ込んだ説明を聞いてみたい気がする。
新しいそろばん教育有用論の登場で、珠算人の注目が待たれる。

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