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2008年6月29日 (日)

Np.159 21世紀アバカス倶楽部幹部との懇談会開催 at Tokyo Forum

136 137 138 6月28日東京国際フォーラムで、日本珠算連盟のアバカス倶楽部の幹部メンバーと懇談した。2001年度に、若手珠算人の育成と日珠連への貢献を旗印に構成されたボランティア組織21世紀アバカス倶楽部は、専務理事の諮問機関として組織の中で位置づけられ活動を行ってきた。

■7年間の活動を終えた今、今一度この組織のあり方を考え直して、どのような活動を行えば日珠連本体に役立ちうるのか、逆に日珠連サイドから見たときに、何をこの倶楽部にしてもらうことが構成員の利益につながるのかについて、知恵を出し合ってみるというネライで懇談会を開催した。

139 目下、13名の正会員と6名のOB会員が所属している。今回の懇談会には、金子部長・安藤副部長・飯沼部員・後藤部員にOBの名村・大橋両先生が加わった。日珠連サイドからは森友理事長・中山専務理事・高梨事務局員が参加し対応した。

■若い世代、中堅世代の珠算指導者がネットを通じて意見の交換や授業展開に関する技術情報を互いに交換し、珠算教育強化に貢献していくために自己研鑽を積み重ねていくことは日珠連にとって、或いは珠算界にとって極めて大事なことといえる。当初の組織作りのコンセプトは専務理事の諮問機関であり、ボランティア活動を旨とするということであるが、このような枠組みの中で一体何をなしうるのかを問うことができた。

141_2 140 今回の話し合いの中から次のような事項を検討課題にすることを確認した。
① 日珠連のHP運営にあたり、掲載すべき情報があまりに多いため、取捨選択が現実に難しい状況があることから、3~5名くらいのスタッフでHP記事編集委員会(仮称)を組織して、HPのクオリティ向上・情報の精度向上・情報伝達のスピードアップを目指したい。加えて、目下当該作業を担当している専務の仕事量軽減にも役立てたいという意図である。「日本珠算」は隔月のペーパーマガジンであり、HPはネットをベースにしたリアルタイムのマガジンであることを目指したい。

■② 「日本珠算」の誌上講習の形を取り、PC・IT・Netに関する知識・情報・技術を伝達し、発信してもらいたい。本倶楽部のメンバーはこのような領域の研究を重ねていて、エキスパートとしての知識の蓄積ができているために、今後の活躍が期待される。

■その他、本倶楽部への参画を呼びかけるアピールを「日本珠算」・HP上などで展開し、これからの日珠連が極めて近い将来出会うであろう人材枯渇の危機を未然に防ぐ手立てにつなげたい。

■今後上記のような役割を演じてもらうためにも、日珠連組織の中での位置づけの調整など、いくつかのアレンジを要する課題を論議していきたい。
珠算教育強化を目指す若く熱い情熱と強い個々の意欲を感じさせる有益な懇談の場であった。

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2008年6月26日 (木)

No.158 茨木市教育研究会算数部会開催される in Ibaragi

106 109 110 114 115 116 117 118 120 6月25日午後3時半から茨木市クリエートセンターで、茨木市教育研究会算数部会が開催され55名の現職の先生方が参加された。テーマは算数の学習具(そろばんを含む)で、第1講座は「入門期におけるそろばんの効果的な指導」で、そろばんアヴァンジャリスト 藤本トモエ氏が担当した。
第2講座は「学習具を活用して算数の学力向上を図る」で、算数・数学教育研究アドバイザー 小西 繁先生が担当した。

■今回の企画は、1月に熊取市で開催された泉南エリアの先生方が集まっての研修会に続いての第2弾であった。算数科で基礎固めをいかに効果的に行うか、そろばんを活用して算数科の学習効率をどのように向上させていくかがテーマの研修会である。前回もそうであったが、若い先生方が参加者の大半を占め、極めて熱心に受講する姿は感動を覚えるものであった。

121 122 124 125 126 127 128 130 131 第1講座の藤本氏は、そろばんを使って早く計算を行うことよりも、そろばんで表現される数字を正しく読み取ること、位の意味を理解すること、数の特徴を理解すること、数を珠で表現することなどが大事であると強調。補数を使っておつりの計算を理解させることも有効であると付け加えた。

■3つのたまを使って2桁の数をつくる、盤面での数の大きさ比べ、別記のようなそろばんで考える問題などを使って、そろばんを使うことで考えること・思考することの訓練を実践することが重要な作業であるとした。小学校で配当されている短い時間で、そろばんの何を教えるのか、学習具としての使い方をもっと工夫することが最優先事項であると説いた。

Img Img_0002 冒頭では、教師が常に考えておかなければならない次の3つの言葉を紹介したが、今回のそろばんをどのように活用するのかを珠を動かしながら考えることそのものがWhat I do であり、きっとI understand につながったことと思う。
① What I hear・・I forget
② What I see ・・I remember
③ What I do  ・・I understand
参加した若い先生方は、今までのそろばん観を一変させたはずであり、また、そろばんの学習具としての活用方法がこれからもっと開発されていくことを理解し、いまだ大きな可能性を秘めていることをも学んだのではないかと思う。

Photo_2 第2講の小西先生は、算数的活動の要諦は、①習得(基礎基本) ②活用 ③探求(思考力・表現力・判断力・・)にあることを中心に話を展開され、合わせて学習具(教具)を今後いかに充実させて学習効果を手にするかについて持論を展開した。
8月に行われる府算研の研究会で、そろばんの新しい発想での活用法を解説される予定であり、学習具の研究が基礎基本の構築に大きな貢献をすることが期待される。

学習指導要領改訂内容が告示され、移行措置案も告示された今、教育再生を心に誓う教師たちにとっては有益な研究会であった筈である。

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2008年6月21日 (土)

No.157 「学力を伸ばす~その工夫の最前線」読売・学力シンポジューム at O.C.C.I

098 102 103 6月21日13時から大阪商工会議所国際会議ホールで、第12回読売・学力シンポジューム「学力を伸ばす~その工夫の最前線」が開かれた。第1部は基調講演「21世紀における基礎学力の意味」を和田秀樹氏(精神科医)が行った。
次いで、第2部大阪府教育委員会による「出前モデル授業」の上映とその解説を藤村裕爾氏(大阪府教育委員会小中学校課長)が担当した。
第3部は「今後の授業改善の意味について」というタイトルで成山治彦氏(大阪教育大学理事・元大阪教育委員会教育監)が講演し、続いてミニシンポジュームが行われた。

■ミニシンポジュームはパネリストに佐々木春美氏(吹田市立岸辺第二小学校校長)と信田清志氏(大阪府教育委員会指導主事)を配し、成山治彦氏がコーディネートした。

Img 毎年春・秋に行われる読売・学力シンポジュームは人気が高く、今回も約800名の申し込みがあり約600名が参加した。
第1部の和田秀樹氏の講演が強い印象を与える内容であった。最近の脳トレブームに見られるように、脳のハードを研究する領域(川島隆太教授+茂木健一郎教授など)が世間の大きな関心を集めているが、実は脳のソフトを研究対象にする領域(和田秀樹氏など)にもっと注意を払うべきだとする彼の論旨は説得力がある。

■高度情報化社会のいま、知識が社会の中心的資源となり、いわゆる知識社会に移行しつつある。頭のいい人というのは問題解決能力を備えている人であり、知識を用いて推論できる人であるとし、知識がなければ情報は生かすことができないという論理は納得できる。
詰め込み教育は決して悪くはなくて、知識を使う、知識を疑う教育の欠如が日本の教育を悪くしたと説き、戦略思考・方略志向を身に付けることで勉強の効率を高めることができると締めくくった。

■昨年明らかになった全国一斉テストの都道府県別成績で、大阪府が小中学生共に全国で45番目にランクされたことで、大阪府教育委員会ではいかに学力を早期に向上させるかが喫緊の課題となっている。
第2部以下でその具体的な取り組みについて報告やら解説・提案がなされていたが、短時間で特効薬を処方できるほど問題は簡単でないことが浮き彫りになった感がする。
うんと息の長い取り組みが必要であることが明らかになった。

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2008年6月 9日 (月)

No.156 近団連総会 京都で開催される at Campus Plaza Kyoto

086 087 089 088 091 095 6月8日、平成20年度近団連総会が京都駅横のキャンパス・プラザ京都で開かれた。11時から幹部会(常任理事以上)が開催されて総会での議案について予備審議をおこなった。また、20年度に行う各種事業の展開についての確認と調整作業を行った。

■13時からは約110名の各地代表者(理事以上)が参加して本年度の総会が開かれた。議案は、①19年度の事業報告と決算報告 ②20年度の事業計画案と収支予算案 ③近団連の20・21年度の役員人事案 の3つであった。それぞれ異議なく承認されてスムーズに総会は終了した。

■総会に続いて研修パートでは、京都市山科区にある学校法人燈影学園(一燈園)長 相 大二郎さんの講演が行われた。当学園は昭和8年に実践的思想家 西田天香さんが発願設立した“根本のことを自然な方法で教える”教育機関である。現在は小・中・高12年間の一貫教育を行う極めてユニークな学校である。約10万坪の緑豊かな山麓にある学舎で約100名の生徒たちが学んでいる。

■校是は「行餘学文」であり、行じて余暇あれば文を学ぶを目指している。次いで、教育の3つの原理が明示されている。1つは祈り(感謝・反省・誓い・平和の願い・・毎日礼堂で8時20分から行はれる全校生の瞑想時に祈りを行う)、二つは汗(学舎全域の早朝からの清掃、給食調理への参加、行願など)、三つは学習(少人数での基礎学力の徹底)である。

Newtop2 正課の中には、剣道・空手・洋舞・日舞・ダンス・謡曲・仕舞・奉仕なども加えられており、一人ひとりの人間をバランスを保ちながらあるべき姿に育てていくという、本来あるべき人間教育の原点を示している。正に、重視されているのは天性教育である。講演のテーマにある“自然に適う教育”を標榜するこの学園の教育システムは、人間造りに悩む現代社会が求めている教育のありかたのモデルになるのではないかと思われた。

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2008年6月 2日 (月)

No.155 NHKTVニュース“大阪そろばん音風景”・・全国放映から全世界放映へ all over the world

015 024 069 4月25日に電話取材を受け、26日に外国人講座を事前取材、5月10日に講座の本番取材を受けたNHKTVニュース番組は5月13日に近畿エリアで報道された。

■夕方6時台全国ニュースの中のニューステラス関西で、大阪音風景「商売の街に息づくそろばんの音」として報道された。大阪放送局報道部カメラマン 柳澤忠志さんの取材報道であった。

■5分半のニュース特集であったが、内容は①そろばん塾での練習風景 ②外国人講座の授業風景 ③船場の織物問屋に残されている問屋そろばんの紹介 ④大阪中央市場の鮮魚卸店でのそろばんを使った伝票の作成場面 ⑤松下電器産業経理部でそろばんによる計算がPCと共存している状景 で構成されていた。

■近代文明の大都会の中でそろばんがどのように生き残っているのか、また、そろばんはこれからの近代社会の中でどのような役割分担を担うのかについて、カメラマンの目線で鋭く観察しこれから先を推察している。

■意外なところで、意外な形でそろばんが活用されている中で、体感した500年に及ぶ長いそろばんの歴史の重みと深い効用が語られているが、その内容はカメラマン柳澤氏の歴史を見る目の確かさを感じさせる。

■5月13日に近畿エリアで報道された後、26日にはNHK全国版“お元気ですか 日本列島”の中で全国に放映された。続いて、NHKのワールドニュースとして6月7日から8日にかけて全世界に配信報道されることが決まった。日本では6月8日の午前4時台にBS1で放映される。再放送として午前9時10分から40分の間でも放映される。なお、世界に向けてのバージョンは当然のことながらナレーションは柳澤氏の英語で処理されている。

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