No.130 学習指導要領改定案が公表される in Japan
■ そろばんの複数学年指導が復活し、3・4年でそろばんが指導されることに決まった。
文部科学省は2月15日、主要教科の授業を1割増やすことなどを柱にした小中学校の学習指導要領改定案を公表した。現行の指導要領に掲げる「ゆとり教育」がもたらしたとされる基礎学力の低下を解決することが狙いとなっている。
■小学校では2011年(平成23年)度から実施されるが、算数・理科は一部先行実施され、2009年度から授業増に踏み切る。算数・理科では15%程度の授業時間増となる。
■ 今回の指導要領改定案で力点を置いた項目が科目ごとに示されているが、算数ではそろばん、社会では世界文化遺産、音楽では唱歌・和楽器、道徳教育では二宮尊徳、保健体育では武道必修などが例示されている。
■算数では、示された「主な指導内容」の<3・4年生>で次の三つが例示されている。
①整数の四則計算の定着と活用を図る
②小数、分数の足し算、引き算を定着させる
③そろばんを使った足し算、引き算を定着させる
■今回の改定案は、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」が、昨年8月に出した素案、10月の中間報告を経て1月に出した最終答申に沿って策定された。
文部科学省では今回の公表の後一般の意見を募集し、3月末に告示する。公表で示された改正案では、そろばん指導が複数学年(3・4年生)で指導されること以上の情報はない。指導される総時間数や各学年の配当比率などはこれから順次明らかにされていく。
■現行指導要領が標榜した「ゆとり教育」がもたらしたとされる学力の低下現象に対する批判と反省、基礎学力構築の重要性の再認識が基盤にあり、加えて全国連合を軸にした珠算界の地道な珠算教育強化の運動展開が功を奏したといえる。
今後、そろばん指導の全貌が明らかにされてくるのを待ちながら、小学校でのそろばん指導が実効をあげるために珠算界としては何が出来るのかを模索しなければならない。
副読本『たのしいそろばん』の内容の見直し、小学校教師のそろばん指導力確保のための研修、そろばん教師による学校支援珠算指導活動の強化、そろばん指導をテーマにした小学校教師との懇談・共同研究の推進など速やかに手を付けなければならない課題は多い。
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