No.123 「外国人のための珠算講座」23年目に入る in Osaka
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1月12日(土曜日)、本年初めての「外国人のための珠算講座」が開かれた。10カ国20名の受講生が参加した。
指導は、9名の先生方が担当し、クラスは写真のように山盛り状態で、新年早々授業は熱気に包まれた。
■本講座は、1986年6月第1土曜日に開講したが、毎週土曜日の午前10時から12時まで、ワンツーワンで本格的な珠算指導が行われている。メニューは、読上算と読上暗算が個別に約20分間英語で行われる。続いて40分間は四則計算の指導に当てられる。
11時から20分間はブレークタイムで、諸連絡・案内を英語と日本語でアナウンスした後お茶を楽しみながらご互いの交流が行われる。
■11時20分から11時40分まで四則計算指導を再開し、最後の20分間は一斉の読上算が展開される。
3桁~10桁加減算を参加の先生方が順番に読上げる。
12時に授業を終了し後片付けを全員で行い1日のレッスンが終了する。
■2008.1.12時点で、77カ国から895名の外国人が講座に参加した。
参加者の職業は、大学の教授、高校・中学・小学校の教師、大学の留学生、大学院研究者、ジャーナリスト、会社経営者、アーティスト、ビジネスマン、主婦などである。
■参加者の全員が英語を話すが、日本語が達者なケースも多い。原則的には英語で指導を展開するが、日本語もまじえて効果的な指導を行うようにしている。
扱うテーマが数字と計算であるので、言葉が指導の障害になることは全くない。
受講生にとっては、指導者が日本人であり、プロの珠算指導者であることから、効率のいい指導が受けられると同時に、日本語の練習にも役立っている。メンバーからは日本語検定1級合格者も複数出ている。
■参加者にとっては、日本の計算文化そろばんに対する好奇心から練習を始めるケースが多いが、計算の仕組みが理解できた後は、そろばんの持つ不思議な魅力に魅了される人が多い。
特に、欧米文化の中で成長し教育を受けてきた人たちにとっては、そろばんを使った計算は不思議の世界そのものに見えるのかも知れない。
■すべての作業が自分のもつ人間力で解決されていく計算システムは、未体験ゾーンを覘く感じで、人間の持つマンパワーを改めて再発見する思いがするようである。
PCを日常的に使う彼等にとっては、そろばんの計算術は正に対極にある技術であり、新発見そのものとなる。殆どの受講生がそろばん練習にのめり込んでくるのも頷ける。
■東洋の果てで花開いた東洋の独特な計算テクニックが、世界の人たちに理解され活用されるようになれば、分かりにくいことが特徴になっている日本人の本質や日本のお国柄などももっと理解されていくのではないかと思っている。国際交流・国際理解促進にそろばん学習が役立てるとすればこんなに嬉しいことはない。
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