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2008年1月29日 (火)

No.127 新案そろばんが出現 in Ono City

118 そろばんの産地である兵庫県小野市のそろばん製造業者14社が集まり播州算盤工芸品協同組合を作っている。
この協同組合が今までのそろばんとは異質の全くユニークなそろばんを開発した。

■まだ試作の段階であるが、3桁・4桁・5桁の3種類あり、珠の色は瑠璃色・黄金色・混合したものがある。珠の大きさは18㎜であるが、今後サイズは少し小さくなるようである。

■各桁の上に珠の数に応じた数字が出て布数した珠の表す数が読み取れるようになっている。1から万の桁までの、布数した珠が表す数を算用数字で確認できる仕組みである。盤上で計算し現れる答えも同様に算用数字で読み取れる。
そろばんで表現される数がリアルタイムで算用数字で表現されるので、数の理解が格段に進むと考えられる。

119 大阪府の算数教育研究会のメンバーの先生方数名にこの新案そろばんを提示し感想を求めたが、以下のようなコメントが得られた。
①1年生の後半くらいから2年生にかけて使用すれば効果的な活用が出来る。
②珠のサイズが大きいので、低学年や不器用な子供にも易しく使用できる。
③そろばんの入門・基本の指導に適している。
④木のぬくもり、大きさ、色彩ともに教具として適格である。
⑤40人分をクラスセットととして用意し持ち回りで使えばいい。
⑥珠の下に表示される数字は識別しやすい大きさが必要である。
⑦先ずは、モニター校で実験的に使用し、効果の内容を検証したい。

120 ちょっとした工夫とアイディアがこの新案そろばんを考案したのであるが、そろばん学習の導入部分のハードルを大きく下げることになる予感がする。そろばん学習を低学年で行う効果と影響が実験で検証される時代であるから、この新案そろばんが大いに活用される日は案外早いと思われる。
塾での新入生への対応用具と、学校での教具としての活用が平行して進んでいくことが予感される。

■この新案そろばんについての問い合わせは、播州算盤工芸品協同組合の副理事長宮永氏まで・・09051327767。

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2008年1月18日 (金)

No.126 学校支援活動の打ち合わせ・説明会開催 at O.C.C.I

109 111 110 112 114 115 1月18日午前10時から、大阪商工会議所で学校支援珠算指導活動の説明・打ち合わせ会が開催された。40名の先生方が参加され活発な意見交換が出来た。開会の挨拶は山根、一般情勢報告は森友、資料説明は沢田、質疑応答は森友、閉会挨拶は河村・倉野、司会は山口の各位が担当した。

■平成12年度に53校でスタートし、64、86、107、111、124、139校と依頼校数を伸ばしてきたが、8年目の今年は今日現在135校からの出講依頼である。

■出講できる講師登録者数は95名で、もう少し希望者を募り110名程度にしなければならない。また、希望者は大阪府教育委員会の人材バンクに登録し、なお各市町村の人材バンクにも登録することが求められている。

■説明会では、モデル校で撮影したデモ授業のvideo(約20分間)を映写し、過日出来上がった全国連合の補助教材としてのDVD(12分の運珠その他の動画ソフト)もPC上で映写し参考に供した。

121 質疑では次のような意見が出た。
①5の合成・分解と10の合成・分解のどちらから説明するか悩ましい。
②新年弾き初め大会で配った法被を着て授業を行うが好評である。
③交通費とは別にお土産を頂くことがある。
④授業前に必ず担任と打ち合わせを行うことが大事である。
⑤リピートしてこない学校にアンケートで理由をただしてもらいたい。
⑥1時間だけの指導依頼は避けるようにしてほしい。
⑦そろばんは楽しいものということを分からせることが肝要。
⑧訪問の後、礼状を出すのが望ましい。年賀状もパイプをつなぐ手立てになる。
⑨そろばんが出来る子供たちにはextra問題を予め準備しておくこと。
⑩担任には授業を見学・応援してもらって指導法を学んでもらうように要望すること。
⑪授業時間数は頼めば増やしてもらえるケースがあることを知っておくこと。

■参加者からは、体験に基づく貴重な意見がたくさん出され、今後の指導に大いに役立つのではないかと感じた。
一人でも多くの子供たちにそろばんの良さと楽しさを分かってもらうために、今年も出講する先生方を組織としては支えていかなければならない。

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2008年1月16日 (水)

No.125 1月度日珠連正副理事長会、総務会開催される in Tokyo

A B 1月15日、平成19年度第5回総務会が日商研修室で開催された。それに先立ち正副理事長会が開催された。議題は、新年度事業計画の検討、収支予算の審議、開催諸行事のスケジュールの確認、新年度実施予定のPR事業のプラニングであった。

■報告事項は、各部会・委員会報告、泉南地区での現職教員研修会報告、全国連合会議の報告、事務局サイドからの諸連絡などであった。終了後新年懇親会が開催された。

Photo Photo_2 Photo_3 Photo_4 Photo_5 Photo_6 Photo_7 Photo_8 Photo_9 予算案については、12月1日に正副理事長会で荒組作業、12月27日の予算会議で審議を行い固めた予算案を議案として審議を行った。各部・委員会責任者との協議に基づく調整を行い、3月の総務会で再度審議し了承を得たものを総会に諮り承認をへて正式に成立する。

099 100 102 総務会の後半では、新年度に予定している全国ネットでのPR活動企画案の説明、質疑が行われた。今回の企画は、ラジオと雑誌を媒体とするクロスメディアの展開となる。企画案については、12月1日の正副会議、12月27日の正副会議で骨格を固めたものを今回の総務会に提案した。
今後、更に審議を重ねて、最終案を作成し総会で説明し承認を得る運びになる。

■今回は日珠連単独で全国ネットのマスメディアを使ったPR展開を行うのであるが、全珠連も単独のPR展開を行う。今年は学習指導要領の改訂内容が明らかになる年でもあり、また有識者懇談会の研究成果が論文に纏められる年でもあるので、それらとの相乗効果が大いに期待される。全国連合の珠算強化活動ともあいまって、珠算教育強化の実効が一気に上がる1年にしなければならない。

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No.124 平成19年度第3回代表者会議開催される at Inuyama Hotel

096 097 098 本年度第3回目の全国連合代表者会議が、1月14日に愛知県犬山で開催された。参加者は3団体からの16名であった。日珠連からは、岡野、森友、草柳、堀野、中山の5名が出席した。

■次期学習指導要領の改定が目前に迫り、そろばん指導がその中でどのように扱われるのかに関係者の関心が集まってきた。今月末までには中教審の最終報告が発表され、3月末には文科大臣の告示が予定されている。

064 108 107 現行の指導要領では、第3学年で4時間程度のそろばん指導が配当されているが、次期改定では2年・3年生での複数学年での指導を強く要望している。前の指導要領では3年・4年生での配当であったことから、次期改定では3年・4年生での指導と言うチョイスもありうることであるが、いずれにせよ複数学年での指導が実現することを願いたい。

112_3 111_3 113 114_2 この会議でも、大詰めの局面ではあるが、関係各機関への要望・説明は力を緩めないで行うことを確認した。4年生での指導も視野に入れて、なぜ4年生で指導が必要なのかと言うことを論理的に記述を行い、要望書として新たに提出することを決めた。いずれにせよ次回の5月会議の席では、かなり明確な改定の内容が示されることになるはずである。

103 105 106 そのほか次のようなことが議論されて、方向付けが行われた。
①次回の教科書会社担当者との懇談会は、2月19日に東京で行う。
②「連合ニュース29号」は4月に2ページで発行する。改定の告示内容を掲載する予定。
③「たのしいそろばん」「学校支援活動」の実績報告は、3月末時点の数字をまとめる。
④日本教育新聞紙上座談会記事掲載:第2回目は1月14日付けで行う。20年度も21年初頭に掲載を目指す。
⑤全国連合会長は賀藤氏がもう1期留任し、事務局は日本珠算連盟に移すこととする。
⑥「算数科のそろばん指導用補助教材」その1(CD=ROM)
を完成し、続いてその4まで制作する。各約12分間の動画ソフトで、学校教師に活用してもらうことと、ボランティア指導で補助教材として使用することを目的とする。
⑦次年度各団体の分担金は150万円で、予算規模は約500万円である。
⑧次年度から、代表者会議は5月、11月の年2回の開催(従前は3回)とする。

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2008年1月12日 (土)

No.123 「外国人のための珠算講座」23年目に入る in Osaka

088 093 087 090 092 086 095 091 089 1月12日(土曜日)、本年初めての「外国人のための珠算講座」が開かれた。10カ国20名の受講生が参加した。
指導は、9名の先生方が担当し、クラスは写真のように山盛り状態で、新年早々授業は熱気に包まれた。

■本講座は、1986年6月第1土曜日に開講したが、毎週土曜日の午前10時から12時まで、ワンツーワンで本格的な珠算指導が行われている。メニューは、読上算と読上暗算が個別に約20分間英語で行われる。続いて40分間は四則計算の指導に当てられる。
11時から20分間はブレークタイムで、諸連絡・案内を英語と日本語でアナウンスした後お茶を楽しみながらご互いの交流が行われる。

■11時20分から11時40分まで四則計算指導を再開し、最後の20分間は一斉の読上算が展開される。
3桁~10桁加減算を参加の先生方が順番に読上げる。
12時に授業を終了し後片付けを全員で行い1日のレッスンが終了する。

■2008.1.12時点で、77カ国から895名の外国人が講座に参加した。
参加者の職業は、大学の教授、高校・中学・小学校の教師、大学の留学生、大学院研究者、ジャーナリスト、会社経営者、アーティスト、ビジネスマン、主婦などである。

■参加者の全員が英語を話すが、日本語が達者なケースも多い。原則的には英語で指導を展開するが、日本語もまじえて効果的な指導を行うようにしている。
扱うテーマが数字と計算であるので、言葉が指導の障害になることは全くない。
受講生にとっては、指導者が日本人であり、プロの珠算指導者であることから、効率のいい指導が受けられると同時に、日本語の練習にも役立っている。メンバーからは日本語検定1級合格者も複数出ている。

■参加者にとっては、日本の計算文化そろばんに対する好奇心から練習を始めるケースが多いが、計算の仕組みが理解できた後は、そろばんの持つ不思議な魅力に魅了される人が多い。
特に、欧米文化の中で成長し教育を受けてきた人たちにとっては、そろばんを使った計算は不思議の世界そのものに見えるのかも知れない。

■すべての作業が自分のもつ人間力で解決されていく計算システムは、未体験ゾーンを覘く感じで、人間の持つマンパワーを改めて再発見する思いがするようである。
PCを日常的に使う彼等にとっては、そろばんの計算術は正に対極にある技術であり、新発見そのものとなる。殆どの受講生がそろばん練習にのめり込んでくるのも頷ける。

■東洋の果てで花開いた東洋の独特な計算テクニックが、世界の人たちに理解され活用されるようになれば、分かりにくいことが特徴になっている日本人の本質や日本のお国柄などももっと理解されていくのではないかと思っている。国際交流・国際理解促進にそろばん学習が役立てるとすればこんなに嬉しいことはない。

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2008年1月10日 (木)

No.122 府算研泉南地区学習交流会開催される in Kumatori

076 081 080 077 078 079 1月9日(水)、大阪府算数教育研究会の泉南地区学習交流会が、熊取交流センター煉瓦館コットンホールで開催された。
泉南エリアの各小学校から56名の先生方が参加され、会場は熱気に包まれた。

■研修の第1講は日本珠算連盟 珠算教育強化・連合委員会委員長の草栁先生が担当した。演題は、「小学校第3学年におけるそろばんの効果的指導」であった。
内容は、①そろばんを算数科に導入する意味は何か? ②そろばん指導でどのようなメリットが期待できるのか? ③数の理解を促進する上で、そろばん式計算システムがどんな好影響を与えるのか? ④そろばん指導と算数指導の共通する部分は何か? ⑤計算を容易に行うために、そろばんの計算システムはどのように役立つのか? などであった。

070 069 067 068 071 072 073 074 084 083 082 085 第2講は、算数・数学教育アドバイザーの小西 繁先生(日本珠算連盟そろばん有識者懇談会第1分科会委員)が担当した。
演題は、「学習具を活用して算数の学力向上を図る」であった。
内容は、①算数的学習を効果的に展開するためには、学習具をうまく活用しなければならない。 ②たくさんある学習具の中で、そろばんは今後注目されるアイテムになるであろう。 ③計算の仕方を考える学習に「学習具としてのそろばん」が有効である。 ④問題解決型学習と計算方法の多様性に対する有効な学習具としてそろばんを活用できるのではないか? ⑤問題解決学習には直観力が必要であるが、そろばん学習で獲得される直観力が役立つのではないか? ⑥今まで、そろばんの価値を過小評価してきたのではないか? ⑦今後そろばん指導は小学校教員の手で行わなければならないなどであった。

■そろばん学習が持つ利点と効用を、今後算数学習の中にどのように取り入れていくのかなど双方の共通の課題もいくつかあり、それらを共同して研究し、授業の中にうまく取り入れていくことを探っていく活動が期待される。
今まで、算数教育に携わる人たちと珠算人の間で、意見の交換や共同した討論・研究が殆どなされてこなかったことを反省し、今後積極的にコラボレを行っていかねばならないと感じさせるイベントであった。

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2008年1月 3日 (木)

No.121 新春奉納弾き初め大会盛り上がる at Tenmangu

041 045 049 050 051 052 055 060 058 正月3日、大阪天満宮境内で、恒例の「新春奉納弾き初め大会」が開催され、約900名の子供たちが参加し、読上算を長ーいそろばんを使って弾き初めを行った。

■1983年から毎年続いているこの大会は、大阪府珠算教育連合会が主催する行事であり、大阪府下の各団体から役員を出し運営を行っている。長ーいそろばんを3人ずつで使って読上算を計算し、これから1年間のそろばん技術向上を祈願するのが目的であるが、典型的な伝統文化である日本の独特な計算技術“そろばん”をたくさんの一般参詣の人たちに知ってもらうこともネライとしている。

A B C D E F G I J 9時40分にスタートし正午まで、リズミカルな読上算の読声が境内に響き、短時間ではあるがリトルそろばんワールドの出現となった。前回からの法被の進呈が好評であったので、今回も1000枚を製作したが、色は紺色から小豆色に変えている。天満商店街を法被を羽織ったままで歩く子供たちの姿も見られ、参詣の人たちの目を引いていた。

Photo 新学習指導要領の内容が間もなく告示されるが、多分学校でのそろばん学習の配当レベルは現行のものよりも高まるのではないかと観測されている。また、新春に5年目を迎える尼崎市の「計算特区」におけるそろばん指導小学校数は、21校に増えることになっている。
各種珠算団体が行うマスメディアを使った全国ネットのそろばんPRも、今年は競って展開されることが予想される。

■今、日本珠算連盟では、そろばん有識者懇談会で、そろばん学習の有効性・必要性を研究し、データの集積を行い、冊子を作り広く世論に発表していく計画を強力に推し進めている。
今や、日本におけるそろばん学習再評価のうねりはきわめて大きくなっており、これは大阪府を中心にした近畿エリアの珠算界あげてのそろばん教育強化推進活動が実を結びつつあることを証明するものと言って差し支えない。

■平成20年は、日本人の基礎学習能力再構築のための出発元年であり、そろばん学習も基礎力構築に大きく貢献できることを広く世間に知らしめるための努力を最大限行わねばならない。珠算人にとっても、今日の弾き初め大会はそのことを祈願する大事な機会でもあった。
(本大会の模様は、当日の夕刻テレビ大阪さんがニュース番組で報道いただきました。また、翌日・・4日・・の読売新聞朝刊で写真入の記事が大きく掲載されました。)

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