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2007年8月31日 (金)

No.97 ハロー会でミャンマーを学ぶ at Hanshin Hotel

Photo Photo_2 Photo_3 8月30日、阪神ホテルで第673回ハロー会が開かれた。
月2回のペースで朝食勉強会が開催され、毎回メンバーとゲストのどちらかがスピーカーを務め、一定のテーマで意見を交わしている。
朝7時から朝食をとり、直ちにスピーチを聞き、残された時間を質疑に使っている。

Photo_4 約30年続いてきたこのグループ(異業種交流会)は、目下約30名のメンバーが在籍し、職業もまちまちで、会社の経営者、税理士、歯科医、弁護士、大学教授、老舗レストラン主など多岐にわたっている。今回の参加者は、ゲストを含めて12名であった。

Photo_5 2年前から、幹事氏からの依頼で、外国人講座の受講生の中から、ゲストスピーカーを選抜紹介して送り込んでいる。
過去、チリの大阪外国語大学教授クラウディオさん、ブラジルの弁護士で大阪大学大学院博士課程の研究者マルセロさん、エジプトからの大阪教育大学研究留学生でカイロの高校教師アハメッドさん、イタリア人の大阪外国語大学イタリア語教師ジェンマさん、ブルガリア人の大阪外国語大学留学生スタニスラバさん、アメリカ人の大阪経済大学留学生ダニエルさん、ブルガリア人の奈良先端科学技術大学院大学博士課程研究者テオドラさんを紹介した。

Img 今回は、ミャンマーからの国費留学生で神戸大学博士課程研究者ウインさんを紹介、同行し出席した。彼は、ヤンゴン工科大学で9年間学んだ後、1996年からミャンマーの電力省に勤めエンジニアとして活躍した。2002年から日本に留学、1年間研究者として大阪大学で研究。2003年からは神戸大学に移り2005年に修士号を得た。2005年から博士課程に進み来年春博士号を得て帰国の予定である。

Img_0001 彼の専攻は流体力学で、ミャンマーでは水力発電のプラントで研究活動を行っていたが、今後は日本での研究成果を母国の水力発電事業に生かしながらエネルギーと環境対策に携わることになる。
外国人講座で習得しつつある日本の計算文化そろばんがミャンマーのエンギニアによって母国に持ち帰られて、水力発電や環境政策の上でどのように生かされていくのか楽しみなことである。

Img_0003 ミャンマーは、ラオス、タイ、中国、バングラデッシュ、インドと国境を接していて、国土面積は日本の1.8倍、人口は4300万人、首都はネピドー、公用語はビルマ語である。国旗は稲穂をギア(歯車)が取り囲むデザイン。約1000年の歴史を持ち、仏教が文化の土壌をなしている農業を中心とした美しい国である。今後、観光に多くの日本人が訪れることと思われる。

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2007年8月28日 (火)

No.96 第12回学識経験者との懇談会:珠算の裏表 at Shinagawa

Photo 8月27日、ホテルパシフィック東京で、日珠連珠算教育強化・連合委員会(19年度第1回)が開かれた。
合わせて行われた第12回学識経験者との懇談会では、朝日新聞本社教育プロジェクト担当プロデューサ上島氏を招き、一味違ったそろばん談義が行われた。

■上島氏は大阪外国語大学でポルトガル語を学んだ異色の辣腕記者で、日珠連有識者懇談会の副座長を務めておられる深江茂樹先生とは昵懇の間柄である。
珠算は小学生時代に学習し、1級合格の腕前である。
もともとは経済部の記者を長年務められて、目下は教育全般をカバーしておられる。
250校以上の教育現場に足を運んで取材を積み重ねる間に、沢山の教師、教育関係者と接触し、日本の教育界が抱える多くの課題、問題点を自身の視点で解きほぐし、独自の教育観を確立してこられた。

Photo_2 今回は、日本の教育全般の中での珠算教育にフォーカスしながら論談した。その中から、注目すべき発言、論点を紹介しておきたい。

①今の日本では、親も子も最短距離でゴールに入ることを至上命題にして、合理性、効率性を最重要視している。その結果、勉強の技術は向上するが、全体をコントロールして、調整・アレンジしていくという知恵(経験)が不足するために、自立・自律を阻害しているのではないか。
②日本の教育から、自立・自律が抜け落ちてしまっている現実をどうするのか。子供の教育を考えるときに、キーワードになる言葉は自立・自律であると考える所以である。
③今の大学生の特色は、精神的には実年齢から10歳引いて考えるべきであるという見方がある。同時に、非常に物事を合理的に考え過ぎてしまう傾向が強いとも言われている。目先の効果につながるものにのみ、強い関心を向ける傾向にある。
④子供の将来を考えると、物事を考えるベースを大きく伸ばしておくのがよい。それがためには、9歳(3年生)までは大いに詰め込んでおくのがよい。子供側にはそれらを受け入れるキャパシティは十分ある。
⑤珠算教育強化運動にとっては、今環境はよくなってきた。素読(そどく)・計算のトレーニングが脳の開発に有効であるという実験データが得られたこと、インド計算術が注目されていること、計算に強いことはいいことだという認識が高まっていることなどがその理由である。
⑥中学年で学習塾に移行していく子供をどう取り込めばいいのか、また、一方で団塊の世代を学習者に取り込む方策はなにかということが今後の課題である。
⑦最短距離で人生を形成しつつある子供たちは➪人間として歪になりやすい➪情操教育が欠落してきている➪表情がなくなってきている/子供らしさが無くなってきていることがそれを証明している。
⑧中高一貫校➪東大・京大といったコースをたどると、子供たちの延びしろが伸びきってしまっているから将来的には問題がある。企業体が求める人材はまた違ったものである。つまり、人間として大事なことは、どれほどの基礎学力が確保されているかと言う部分なのであろう。
⑨企業の多くはハイテクで制御されているため、パンクしたときにはパニックにつながりやすい➪ハイテクのバックアップをローテクでカバーすることが有効であり、その時人間の力が大いに役立つ。そろばんもローテクの典型であり、人間力とそろばん力の役割がそのあたりにあるのではないか。
⑩欧米には、ハイテクのバックアップを人力で行う、ローテクで行うというノウハウはない。日本の裏技として、そろばんでのバックアップという観点も大切なことである。
⑪コンピュータの原点はそろばんであり、そろばんは自立・自律のツールでもある。基礎教育のキーワードはそろばんで確保しやすい集中力と我慢力であり、集中力と我慢力が子供の自立・自律を助けることになる。
⑫母親をいかに納得させるかが最大の課題であり、そろばんを習えば➪何がどうなるのか➪このことをイメージで理解させることを考えるべきである。蔭山先生の、早寝・早起・朝ごはん(30品目)・100マス計算➪学力向上という図式を参考にしたい。
3級合格で何が出来るのか、2級ではどうか、1級ではどんなメリットがあるのかを明快に示す術を考えるのが先決問題である。

Photo_3 以上のような、核心をついた問題提起がなされているので、珠算界ではそれらに対してすばやい対応をしなければならない。納得をするだけで、一歩を踏み出さなければ何も生まれてこないことを確認しておきたい。

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2007年8月25日 (土)

No.95 ウエールズからのそろばん武者修行 in Osaka

018_3 021_3 020_2 019_2 023_2 110_1051  外国人講座入門78カ国目の訪問者は、イギリス(英国)・・イギリス、ウエールズ、スコットランド、アイルランドから構成される・・のウエールズから

来訪したGARETH GRIFFITHS(56)さんであった。
彼は8月10日に初めて日本の土を踏んだが、来日の目的は、珠算振興国際基金の開催するAbacus Camp in 2007(群馬県)(4日間)に参加するためであった。

Img_0003_3 今年のキャンプには、3人の韓国人、1名のブラジル人とウエールズ人の彼が参加した。
彼は、ウエールズのレックサハム(ウエールズ北東の州区)のロセット町にあるDarland高校の教師である。現在、自閉症の生徒を指導しており、そろばんの活用が彼等の指導に効果があると考えている。ウエールズの国家予算からの支援をうけ、5歳から11歳の生徒たちの指導にそろばんを取り入れ、実験指導を6月から行っている。

Img_0002 彼は自国でウエッブサイトを通じてそろばんを独習してきた。時にはマルカリアン君江先生の指導も受けて、実力を蓄えてきた。きわめて真面目にそろばん学習に取り組んでいて、目下、5級程度の実力である。

Img ガレスさんは、そろばんが数学を学習する上で大きな助けになることを実感しており、近い将来イギリス全土でそろばんが学校で指導、活用されることを夢見ている。
ウエールズを中心に、彼のそろばんを活用した教育システムが実践されて、ついにはイギリス全土で数学教育の実を挙げる日がやって来ることを願いたい。

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2007年8月21日 (火)

No.94 第45回東西珠算懇談会開かれる in Atami

Img_0002 8月19日~20日、第45回東西珠算懇談会が熱海の「金城館」で開催された。
関西からは2団体の16名、東海から2団体14名、関東から9団体63名が参加した。

■第1回は、東京当番で昭和36年に開催され、47名の参加であった。最大の参加者は、昭和55年の名古屋当番の三ヶ根山グリーンホテル三ヶ根で開かれた第20回で、297名であった。
参加者が最も少なかったのは、第2回大阪当番、白浜御苑で開催時の39名である。

Img_0003 懇談会が始まってから47年が経過し、珠算界の状況は大きく変化し、日本珠算連盟の活動内容も拡大してきた。また、情報伝達の手段も進歩し、当懇談会が果たすべき役割には微妙な変化が生じている。
一方で、最近のIT化で、珠算界の情報交換、伝達のスピードは格段に速くなっている。

Img 東西珠算懇談会の当初最大の目的とされた相互の情報交換と親睦と言う構図は、一度根本的な見直しをしなければならない。情報交換のために、多額の費用をかけて1箇所に集まることの必要性は大きく薄らいでいる。
しかし、各地域の幹部が集まることによりなしうる役割は情報交換以外に沢山あるのではないかと思われる。

■珠算教育の近未来のあるべき姿、時代の急激な変革に対応するための珠算界の工夫と知恵、立ち遅れを見せている珠算団体の組織の再構築(リストラ)、珠算教育の現代社会での意義と役割の解明など、珠算人が今考えなければならない課題は山積している。

Img_0001 上記のような課題をともに考え、新しい方向を確立していくための場として、東西懇談会を位置づけていくことは可能である。半世紀にも及ぶこの懇談会をリフレッシュさせて、新たな役割を担う場に作り変え、珠算の興隆に役立てていくことを次回までに考えてみたい。
次回開催を担う大阪は、近団連と連携を保ち、この役目を果たさなければならない。

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2007年8月12日 (日)

No.93 ズームイン!!SUPERがそろばんにフォーカス in Osaka and Hyogo

1171779_img 1171791_img 1171778_img_2 8月8日(水)、読売テレビ(10チャンネル)の「ズームイン!!SUPER」(朝5:20~8:00)で、そろばんの日にちなんで、そろばんの特集記事を報道した。
約1週間の取材に基づいて内容構成されており、“今、そろばんの検定試験受験者が増加しつつあるが、その理由は何か?”をメインテーマに、高齢者のそろばん学習者が増えてきていること、小野市におけるさまざまな取り組み、特に小学校での毎週15分ずつのぱちぱちタイムの実践などが軽妙に編集されていた。

■特集のサブタイトルを、“そろばん人気復活の兆し”とし、そろばんがいま脚光を浴びつつある現場の様子を伝える内容であった。そろばん学習者の増加については、特に、大阪でのここ10年間の検定試験受験者数の推移をグラフで表現し、20数年間減少を続けてきた趨勢が、2~3年前から増加に転じた局面を分かりやすく伝えていた。

1171787_img 1171788_img 1171789_img ほかに、そろばんの製造工程が映像で説明されていたが、500年間も日本の工業技術力の結晶として、連綿と伝えられてきたそろばん組み立て技術の継承を今後どのようにクリアしていくつもりなのかを問いかけてくる内容でもあった。

■小野市では、本年4月から、同市内で出生する新生児に、生誕記念のそろばんを進呈する“そろばん一人一丁”運動がスタートした。また、8月8日には、全国で当該日に出生した新生児に抽選で20丁のそろばんを生誕記念に贈呈する企画も実施した。

1171794_img 1171797_img 1171799_img 小野市は、現在も年間15万丁のそろばんを生産する日本で最大のそろばん産地であるが、日本の典型的な伝統工芸・技術であるそろばん製造のノウハウを守り抜き、合わせて、そろばん力で子供たちの基礎計算力を確保、向上させていくことを祈願しての独自の頑張りに敬意を表したい。

■今回の特集のテーマである、“そろばん学習者の増加現象が出てきた理由は?”については、番組の冒頭で、森友が総括したコメントを述べておいた。
その概略は、“20年にわたるゆとり教育実践の結果、子供たちの基礎計算力が著しく低下した。基礎計算力の低下は、彼等の基礎学力の低下をもたらし、ひいては総合学力をも低下させることになった。今後子供たちの学力をどのように回復させるかについての、反省と対応の中でそろばん学習の見直しと再評価が進んできた” という内容である。

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2007年8月 6日 (月)

No.92 近畿連合19年度PR活動の骨格が固まる at Bentenchou

Img_0001_3 8月5日、弁天町で近畿連合の10人委員会が開かれ、続いて拡大委員会が開かれた。
両会議で、19年度のPR活動の大枠が決定された。
今年度の特色は、過去8年間活動を行ってきた時代背景とは、大きな差異が生じているということである。即ち、珠算教育の評価が高まり、珠算学習者数の推移が右肩上がりのカーブを描いているという部分である。

■PR活動のバックグラウンドがずいぶん良くなっている中で、珠算の効用、必要性、有用性を前面に出しながら、世論の今以上の理解を深めていくために、PR活動を展開していこうというコンセプトで企画をおこなった。

Img_0001_4 上記のような変化の中から、今が珠算教育の地位を高めるための最高のタイミングではないかと読み取っている。珠算界あげてのPR展開を徹底的にやっておかないと、悔いを残すことになりかねないと考えている。

■このような考え方を受けて、次年度(20年度)から、近畿連合の構成員各自の拠出金(7,000円)を10,000円前後に改訂するべきであるという提案を拡大会議の了解事項とし、次回の10人委員会で金額の決定を予定している。

■今年度のPRのいまひとつの特徴は、PRの組み立てが非常にバライティにとんでおり、年間を通じて間断なくCMが流れるように編成したことである。臨時会費を合わせて、1,150万円を投じて別表のようなラインアップでPR活動を行うが、きっと大きな効果を生み出していくのではないかと期待を膨らませている。

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No.91 読売TV 外国人講座を取材 at O.C.C.I

004 006 011 8月4日、外国人講座が読売TVの取材を受けた。朝のワイド番組「ズームイン!!SUPER」で、ニュース特集として8月8日に放送予定の取材であった。
ここ2~3年、そろばん熱が高まりを見せていて、検定受験者数も増加傾向に入っているが、これはなぜなのかと言うことをテーマにニュース番組を構成し報道する企画である。

■4日の講座取材に先立ち、3日には森友のコメントを収録するための取材があった。ディレクターを含めて4名のクルーの来訪であったが、30分間カメラを回して20秒のコメント部分を作成しニュースの頭で流すという手はずである。

012_3 013_3 016_3 珠算教育には強い関心を寄せるディレクター(谷口正和氏)が、なぜ今そろばんなのかと言うことにフォーカスして、そろばん教育の有用性、そろばん練習の意味を映像を通して視聴者に伝えてくれるはずである。

■番組冒頭でのコメントの要旨は、“長期にわたりゆとり教育の展開を行ってきた結果、子供たちの基礎計算力が大きく落ち込んだ。基礎計算力の低下はすなわち基礎学力の低下につながっていった。基礎学力が低下することで、ついには、子供たちの総合学力が低下する結果になった”と言う内容である。

Img_0002 大阪珠算協会の『外国人のための珠算講座』、小野市のそろばん一人一丁運動、同市における小学校でのそろばん指導の導入と強化、豊中市における、高齢者に対するそろばん指導などを題材にしながら、珠算教育の必要性を広く世間に向けてアナウンスする企画であり、その効果と反響を期待している。

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