No.59 『日本珠算』創刊600号記念座談会 at Hongou
■ 『日本珠算』創刊600号記念座談会が、2月10日東京本郷のフォーレスト本郷 イーストホールで開催された。出席者は、日本珠算連盟の賛助会員株式会社ダイイチ代表取締役宮永英孝氏、同株式会社ハッピーネット代表取締役中村和恵氏、社会福祉法人シルバーウイング常務理事石川公也氏の3氏であった。コーディネートは日本珠算連盟副理事長森友が務めた。
■2時間を使った座談会のメインテーマは、「新たな発想で飛翔を~これからの珠算のあり方~」とし、サブテーマは ① 自社、地域における珠算振興の取り組み ② 世間における珠算の認知度を高める方策 ③ 珠算界の意識改革のために必要なこと ④ 日本珠算連盟が果たすべき役割 であった。
■三者はそれぞれ、遊び感覚、情報技術、高齢者と言うキーワードで珠算振興に深くかかわりを持つ事業体の代表者であり、ユニークな観点と発想からの珠算観を聞くことが出来た。珠算人が考える珠算振興策と、一味違うニュアンスのアイディアと企画が示された。
■石川氏から発言された、これからの団塊の世代の高齢化を踏まえて、珠算が最適な介護予防の資源であるとし、認知症予防の手立てとして位置づけられるという考え方には説得力があった。また、同氏は“60歳から始めるそろばん”を今後発信していくと言う構想を持っており、珠算界としてもサポートを真剣に考えるべき部分と思う。
■中村氏は、生活者としてITを生かしていこうと言う基本姿勢にたち、読み上げ算を携帯ネットで配信し始めており、音声を通しての珠算練習で集中力の確保と養成に役立とうとしている。珠算検定1級合格者の追跡調査に、ITを活用してデータの収集を行い分析を通じて、珠算熟達者が実生活で受けているメリットの解明を計画しようと言う呼びかけは大きな意義を持つものと考えている。
■ 宮永氏は、“小野市民そろばん一丁運動を行政サイドに呼びかけており、ゴーサインが秒読みの段階に入っていると期待感を表していた。毎年、約500人の新生児が小野市内に生まれるが、生誕記念にそろばんに名入れを行って寄贈すると言う極めて独創性の高い提案である。
■代表的な提案を紹介したが、珠算界としても即対応しなければならないものが他にもいくつかあり、それらの詳細は日本珠算5月号で掲載されることになっている。各位の珠算振興にかける情熱の高さに大いに敬意を表するとともに珠算発展には業種の違いを乗り越えて取り組んでいけることを実感することが出来た。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント