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2006年12月31日 (日)

No.45 尼崎市「計算特区」のこれから in Amagasaki

1161618_img ■小泉政権の規制緩和政策の一環として誕生した「特区」制度を申請した尼崎市が全国で始めて、かつ唯一の「計算特区」の認定をうけたのは平成16年の3月であった。

■平成16年4月の新学期から、尼崎市立小学校44校(後に統合があり43校になる)の中から杭瀬小学校で実験的にそろばんを指導することになった。算数科に「計算科」を設けて、2年生で10時間、3~6年生はそれぞれ年間50時間のそろばん指導を配した。2年生から6年生までの通算指導時間は210時間になる。

■「計算科」設置2年目の平成17年度は4校追加し計5校で実験指導が行われた。3年目の平成18年度はさらに5校増加させて計10校で指導が行われている。4年目の平成19年度は更に5校増加させて計15校でのそろばん指導が検討されており実現の可能性は高い。保護者からは、公平、平等の原則から早期に市内全校でそろばん指導を実現すべきであるとの強い要望が出ているが、実施にあたり相応の予算措置が必要であり、時間がかかりそうである。

■尼崎市が「計算特区」を申請した背景には、① 全国的な学力低下の問題が顕在化してきたこと ② 昭和60年代以降からの学力向上を求めての保護者や市民からの要請がでていたこと ③ 授業に集中できない、指導に従わないといった児童生徒の増加現象 があった。

■尼崎市がそろばん指導にフォーカスした目的は、① そろばんの学習を通じて、集中力や持久力の向上を図るとともに、日本の伝統文化の良さを体験させ、豊かな人間性の育成を図る ② 暗算を楽しめる児童、数を見て判断できる児童の育成につながることを目指し、日常生活や地域活動で活かせる計算能力の向上を図る ことであった。

■そろばん指導の導入で期待される効果については次の4つを挙げている。① 右脳の発達 ② 脳の活性化により、算数以外の幅広い教科の学習に効果 ③ 集中力、記憶力、洞察力、情報処理能力、速聴・速読能力の向上 ④ 暗算を含めて、実用性が極めて高く、永年的効果を期待

■実施1年経過時に行ったアンケートでは、保護者に対するものでは、計算科の取り組みについて、「大変よい」+「概ねよい」が86%。計算科の効果については、「あまり効果なし」が19%で「計算に興味が出た」38%、「計算速度が速くなった」36%。

■児童に対するアンケートでは、「そろばんを習っている」13%、「習っていた」7%。 「計算科は楽しい」43%、「楽しくない」は9%、「そろばんがうまくなった」では94%。 「そろばんが役に立っている」は48%であった。

■教師の評価は、① これまで各教科で学習に興味のなかった児童が、計算科では積極的に取り組むようになった ② ほかの教科での計算問題も確かに速くなった ③ キッズ検定などで、自分の力でチャレンジできる目標がある などである。

■平成18年度に実施された学力調査の結果、計算科でそろばんの指導を受けた児童の成績に、算数だけでなく国語、社会、理科においても成績向上の成果が見られるというデータがまとめられている。このことは、既述のそろばん指導による効果、期待が予想したとおりであるということにつながってくる。

■このデータは、1年間だけのものであること、「計算科」の導入で6年生の算数時間が、年間150時間から190時間に増加していること、算数以外の各教科でも成績向上が見られるのは、「計算科」導入による効果だけであるのかといった点の解明も求められている。「計算特区」の効果を確定させるためには、いま少しの時間と継続的な調査が必要である。

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