No.13 筆算とそろばん in Tokyo
■『三田評論』No.1093収載の、三人閑談“ソロバンのチカラ”の中で福澤諭吉の「小学教育の事」(『福澤文集二編』)が紹介されている。
■「小学教育の事」の中で、福澤先生は算盤の実用性を評価し、「むしろ筆算と一緒に算盤を勉強したほうがいい」という意味の発言をしていることが紹介されている。
■「小学教育の事」は、岩波文庫 「福澤諭吉教育論集」・・1991年3月18日出版福澤諭吉著・山住正巳編の中に収録されているが、現在は書店での購入は難しいようだ。
■明治初期に、すでに筆算とそろばんの併用の利点を説き、そろばん教育の有効性と教育性をアピールしていたことは驚きである。
■そろばんという計算技術文化を持つ国が、西洋の計算術筆算を移入したときに国家がどう反応すべきかについての定見を彼は示していたのだと思う。その時から130年以上経過した現代においても、同じ課題を議論し続けていることを考えるとき、日本教育界のまじめさと情熱のようなものを感じてしまう。
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